アフターピルのよくある失敗談5選!避妊失敗を防ぐ正しい使い方と注意点を解説

緊急避妊薬として処方されるアフターピルですが、実は100%の避妊効果はなく、使い方を誤ると本来の効果を得られない場合があります。多くの失敗談は、正しい知識があれば防げた要因です。これらの失敗を避けるためには、アフターピルの仕組みを理解し、適切な使用方法を知ることが不可欠です。

この記事では、実際に多く報告されているアフターピルの失敗談を5つのパターンに分けて詳しく解説します。同じ失敗を繰り返さないために、万が一の際に確実に効果を得る方法を一緒に学んでいきましょう。

医師 阿部一也
当記事の監修医師
医師:阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部卒業。現在は板橋中央総合病院の産婦人科医長として、妊婦健診や分娩管理、新生児対応をはじめ、切迫流産・早産の管理などにも従事。婦人科領域では、子宮筋腫・卵巣嚢腫・子宮内膜症・骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌・卵巣癌に対する手術および化学療法(抗がん剤治療)まで幅広く対応。さらに、PMS(月経前症候群)や更年期障害など、ホルモンバランスに関連する女性特有の不調についても積極的に診療している。日本産科婦人科学会専門医として、日々多くの女性の健康課題に向き合い、臨床の第一線で診療を続けている。

アフターピルとは?基本的な仕組みと効果

アフターピルは「緊急避妊薬」とも呼ばれ、避妊に失敗した、あるいは避妊せずに行った性行為の後、緊急的に服用することで望まない妊娠を防ぐための薬です。

すでに成立した妊娠を中断させるのではなく、妊娠が成立する前の段階で作用することで、妊娠そのものを防ぎます。万が一の際のセーフティネットとして、その仕組みと効果を正しく知っておくことが大切です。

アフターピルの基本的な仕組み

アフターピルの主な作用は、排卵を抑制、または遅らせることです。

薬の主成分である女性ホルモンが体に作用し、脳に「まだ排卵の時期ではない」と錯覚させ、卵子が卵巣から排出される「排卵」のタイミングを強制的にずらします。

排卵が起こらなければ、精子が腟内に侵入しても、出会うべき卵子が存在しないため、受精そのものが成立しません。これが、アフターピルが妊娠を防ぐ最も大きな仕組みです。

その他、受精卵が子宮内膜に着床するのを防いだり、子宮頸管の粘液を変化させて精子の侵入を妨げたりする作用も、副次的な効果として考えられています。

効果と服用で最も重要なのは「時間」

アフターピルの効果は、服用するタイミングに大きく左右されます。アフターピルには、主に2つの種類があり、それぞれ有効な時間が異なります。

種類120時間有効アフターピル72時間有効アフターピル
有効成分ウリプリスタール酢酸エステルレボノルゲストレル
避妊率120時間以内の服用で98.9%72時間以内の服用で85%

どちらの薬を服用するかは、性行為からの経過時間や医療機関の判断によって決まります。いずれにせよ、アフターピルは時間との勝負です。

避妊に失敗したと思ったら、一人で悩まず、できるだけ早く医療機関(産婦人科・オンライン診療など)に相談し、処方を受けることが、その効果を最大限に引き出すための鍵となります。

関連記事:「アフターピルの正しい飲み方|服用後の注意点も解説

アフターピルにおける「失敗」とは?2つのパターン

アフターピルを服用した際に使われる「失敗」という言葉には、実は2つの意味合いが含まれています。最も直接的な意味での「失敗」とは、『薬を正しく服用したにもかかわらず、結果的に妊娠してしまった』ことを指します。

しかし、一般的に「失敗談」として語られるのは、この結果に至るまでのプロセス、つまり『薬の使い方が不適切だったために、本来得られるはずの効果が得られなかった』というケースです。これら2つの「失敗」のパターンについて、詳しく見ていきましょう。

パターン1|薬の限界による失敗(防ぎきれないケース)

まず、アフターピルは、100%妊娠を防ぐ薬ではありません。正しい使い方をしても、一定の確率で妊娠が成立してしまう可能性があります。これが、アフターピルが持つ統計的な限界です。

そして、服用前にすでに排卵が起こっていた場合も薬の効果が間に合わず、受精・着床に至る可能性があります。アフターピルの主な作用は「排卵を遅らせる」なので、性行為の直前や直後に、すでに排卵が起こってしまっていた場合は、残念ながら妊娠を防ぐことはできません。

パターン2|使い方や状況による失敗(防げる可能性のあるケース)

一方で、薬の使い方や服用後の行動が原因で、本来の効果が得られずに失敗に至るケースも多く報告されています。これらは、正しい知識を持つことで防げる可能性のある失敗です。

服用の遅れ有効時間(72時間または120時間)を過ぎてから服用した場合
嘔吐服用後2〜3時間以内に嘔吐し、有効成分が体内に吸収されなかった場合
偽造薬個人輸入などで偽造品・粗悪品を入手してしまい、有効成分が含まれていなかった場合
服用後の性行為服用後に、再度避妊をせずに性行為を行った場合
薬の飲み合わせ効果を弱める他の薬(抗てんかん薬など)やサプリメント(セント・ジョーンズ・ワートなど)を併用していた場合

よくあるアフターピルの失敗談5選

アフターピル(緊急避妊薬)は、万が一の際に望まない妊娠を防ぐための重要な選択肢ですが、その効果は100%ではなく、使い方を誤ると避妊に失敗してしまうことがあります。

ここでは、実際に多く聞かれるアフターピルの失敗談を5つのパターンに分けて紹介します。同じ失敗を繰り返さないために、ぜひ知っておいてください。

失敗談1|服用のタイミングが遅れた

最も多く、そして最も避けたい失敗が、服用するタイミングの遅れです。アフターピルは、妊娠リスクのある性行為から服用するまでの時間が短ければ短いほど、避妊効果が高まります。

「週末でクリニックが休みだった」「オンライン診療で注文したけれど、配送に時間がかかって間に合わなかった」「少し様子を見ていたら、時間を過ぎてしまった」といった理由で服用が遅れ、避妊に失敗したという声は後を絶ちません。緊急事態と認識し、1分でも早く行動することが何よりも重要です。

関連記事:「アフターピルは何時間以内に服用すべき?120時間を過ぎた場合の対処法も紹介

失敗談2|服用後に嘔吐してしまった

アフターピルはホルモン剤であるため、副作用として吐き気や嘔吐が起こることがあります。もし、薬を服用してから2〜3時間以内に吐いてしまった場合、薬の有効成分が体内に十分に吸収されていない可能性があります。

この場合、避妊効果が得られないため、基本的には追加でもう1錠服用し直す必要があります。しかし、この対処法を知らずに「一度飲んだから大丈夫だろう」とそのままにしてしまい、結果として妊娠に至ったという失敗談も少なくありません。服用後に嘔吐してしまったら、自己判断せず、必ず処方を受けた医療機関に連絡し、指示を仰いでください。

関連記事:「アフターピル服用後に市販の吐き気止めは使える?吐き気を抑える3つの方法も紹介

失敗談3|通販や個人輸入の偽薬・粗悪品を使用した

「病院に行くのは恥ずかしい」「少しでも安く済ませたい」という思いから、インターネット上の通販サイトや個人輸入代行業者を利用し、その結果、偽造品や有効成分の足りない粗悪品だったというケースです。

海外からの個人輸入品には、有効成分が全く入っていない偽薬や、不純物が混入した健康に有害な薬が紛れているリスクが非常に高いことが知られています。当然、これらを服用しても避妊効果は得られません。お金と時間を無駄にするだけでなく、深刻な健康被害につながる恐れもある、最も危険な失敗パターンです。

参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ

関連記事:「アフターピル「エラ」の偽物を見分ける4つのポイント!正規品を安全に入手する方法も紹介

失敗談4|服用後に避妊せず性行為をした

アフターピルは、あくまで「服用する前の、たった1回の性行為」に対して効果を発揮する薬です。薬を飲んだ後、その効果が持続するわけではありません。

「アフターピルを飲んだから、しばらくは避妊しなくても大丈夫」と勘違いし、服用後にコンドームなどを使わずに性行為をしてしまい、結果的に妊娠してしまったという失敗談があります。アフターピル服用後は、次の生理が来るまで、必ずコンドームなど他の避妊法を徹底するようにしてください。

失敗談5|他の薬やサプリメントとの飲み合わせが悪かった

一部の医薬品やサプリメントは、アフターピルの効果を弱めてしまう可能性があります。

結核の薬(リファンピシン)、てんかんの薬(フェニトイン、カルバマゼピンなど)、抗HIV薬など
サプリメントセント・ジョーンズ・ワート(和名:セイヨウオトギリソウ)

これらの薬やサプリメントを日常的に服用している方が、その事実を医師に伝えずアフターピルを服用し、効果が十分に得られずに失敗したというケースも報告されています。診察時には、必ず現在服用しているすべての薬やサプリメントについて、医師に正確に伝えてください。

アフターピルの失敗を防ぐために知っておくべきポイント

アフターピルの効果を確実に得るためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、アフターピルの避妊失敗を防ぎ、正しくその効果を得るために、最低限知っておくべきポイントを3つ解説します。

ポイント1|とにかく早く服用すること

アフターピルの効果は、時間との勝負です。妊娠リスクのある性行為から服用までの時間が短ければ短いほど、避妊効果は高まります。これは、排卵を抑制・遅延させるという薬の作用機序によるもので、排卵が起こってしまった後では効果が期待できなくなるためです。

「どうしよう」と悩んでいる時間が、最も避妊率を下げる原因になります。「避妊に失敗したかも」と思ったら、その瞬間にすぐに医療機関(対面またはオンライン)を探し、行動を開始することが、失敗を防ぐ最大のポイントです。

ポイント2|医師の処方を受け正しい服用方法を守ること

アフターピルは、必ず医師の処方のもとで入手してください。インターネット通販や個人輸入での購入は、偽造品や粗悪品であるリスクが非常に高く、効果がないばかりか、健康被害につながる恐れがあり大変危険です。

医師の診察を受けることには、以下のような重要な意味があります。

  • 安全性と効果が確認された、正規薬を入手できる
  • 他の薬との飲み合わせや、安全に服用できる状態かを医師が判断してくれる。
  • 服用タイミングや副作用などについて、正確な説明を受けられる

処方された薬は、定められた錠数を一度に(通常は1回1錠)、水またはぬるま湯で服用します。自己判断で量を減らしたり、時間をずらしたりせず、必ず医師の指示通りに服用してください。

関連記事:「アフターピルはどこで買える?安全に入手する3つの方法と費用相場

ポイント3|服用後に嘔吐した場合の再服用ルールを知っておくこと

アフターピルの副作用として、吐き気が起こることがあります。もし、薬を服用してから2〜3時間以内に嘔吐してしまった場合は、薬の有効成分が体内に吸収されず、効果が得られない可能性があります。

この場合は、追加でもう1錠服用し直す必要があります。しかし、このルールを知らずにそのままにしてしまうと、避妊失敗の直接的な原因となります。

万が一、服用後すぐに吐いてしまった場合は、自己判断せず、直ちに処方を受けた医療機関に電話で連絡し、どうすればよいか指示を仰いでください。この時、すぐに連絡が取れるよう、診察券やクリニックの連絡先を必ず控えておきましょう。

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まとめ

アフターピルは、避妊に失敗した際の重要なセーフティネットですが、100%の避妊効果はありません。失敗を防ぐためには、とにかく早い服用が最も重要です。時間の経過とともに効果は低下するため、「避妊に失敗したかも」と思ったらすぐに医療機関を受診しましょう。

また、医師の処方による正規薬の使用と正しい服用方法の遵守も欠かせません。通販や個人輸入の偽薬は危険なので絶対に避けてください。服用後2〜3時間以内に嘔吐した場合は、必ず医療機関に連絡して追加服用の指示を受けることも重要です。

アフターピルはあくまで緊急避妊薬であり、服用後の性行為には別途避妊が必要です。正しい知識を持ち、適切に使用することで、アフターピルの効果を最大限に活用できます。緊急時に慌てることがないよう、事前にオンライン診療などの選択肢も調べておくことをおすすめします。

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