性交渉のあと、違和感があったり、相手から性病だったと報告があったら、まずは性病検査を受ける必要があります。しかし、「いつ、どこで、どのような検査を受けられるのか分からない」という方も多いはず。
この記事では、性病検査の種類や検査可能な時期、検査を受けられる場所、そして検査を受ける際の注意点について、詳しく解説していきます。性感染症は誰でも感染する可能性がある病気です。この記事を参考に、適切な対処法について理解しておきましょう。
目次
性病検査でおこなわれる主な検査方法3つ
性感染症は、性的接触により口や性病検査には、主に血液検査、尿・分泌物検査、うがい液検査の3つの方法があります。
検査方法1|血液検査
血液検査では、採血した血液を分析することで、HIVや梅毒、B型・C型肝炎など、様々な性感染症の有無を調べることができます。
検査できる性感染症 | HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎など |
血液検査は、過去の感染歴を調べることも可能な場合があります。ただし、感染初期段階では、体内で抗体が十分に作られていないため、検査結果が陰性となる可能性もあるため、注意が必要です。
検査方法2|尿・分泌物検査
尿や分泌物検査は、淋菌、クラミジア、トリコモナスなどの感染症の有無を調べる際に有効です。
検査できる性感染症 | クラミジア、淋病、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナス、カンジダ症など |
尿や性器から採取した分泌物を検査することで、比較的迅速に結果を得ることができます。
検査方法3|うがい液検査
うがい液検査は、咽頭淋菌や咽頭クラミジアなどの感染症を調べるために用いられます。
検査できる性感染症 | クラミジア(咽頭)、淋病(咽頭)など |
うがい液を採取するだけなので、比較的簡単に検査を受けることができます。ただし、尿や分泌物検査に比べると、検査の精度が低い場合があります。
性病検査が可能な時期はそれぞれ異なる
性病検査は、感染の機会から適切な期間が経過しないと正確な結果が得られない場合があります。タイミングが早すぎると、検査で陽性反応が出ない「偽陰性」となる可能性があるため、検査の際は以下の表を参考にしてみてください。
性感染症 | 検査可能な時期 | 検査方法 |
---|---|---|
クラミジア | 感染の翌日から | 尿検査、分泌物検査 |
淋病 | 感染の翌日から | 尿検査、分泌物検査 |
梅毒 | 感染から約4週間後 | 血液検査 |
HIV | 感染から約4週間後 | 血液検査 |
B型肝炎 | 感染から約6週間後 | 血液検査 |
C型肝炎 | 感染から約8週間後 | 血液検査 |
トリコモナス | 感染から約1週間後 | 顕微鏡検査、培養検査 |
カンジダ症 | 症状が出てから | 視診・組織検査 |
コンジローマ | 症状が出てから | 視診、組織検査 |
ヘルペス | 症状が出てから | 培養検査、PCR検査 |
女性の場合、生理中は検査の精度が落ちることがあるため、生理終了後の検査が推奨されています。複数の感染症の可能性がある場合は、最も遅い検査可能時期に合わせて検査を受けるのがおすすめです。
なお、すでに症状が出ている場合は、検査可能時期を待たずに速やかに医療機関を受診するようにしてください。
性病検査はどこで受けられる?メリット・デメリットを比較
性病検査は、主に以下の3つの場所で受けることができます。
医療機関(泌尿器科や婦人科、皮膚科など)
病院やクリニックなどの医療機関で性病検査を受けることができます。泌尿器科、婦人科、皮膚科など、性感染症に対応している診療科を受診しましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
検査と同時に医師の診察を受けられる幅広い種類の性感染症の検査に対応している | 保険証が必要な場合がある費用がかかる場合がある予約が必要な場合がある |
保健所
引用:東京都保険医療局「東京都性感染症ナビ」
保健所では、無料かつ匿名で性病検査を受けることができます。検査項目や検査方法は保健所によって異なる場合があるので、事前に確認しておくとスムーズです。
都内の場合は「東京都性感染症ナビ」で詳細を確認することが可能です。他の地域でも同様の検査を実施しているため、「都道府県 梅毒検査 無料」などで調べてみてください。
メリット | デメリット |
---|---|
匿名で検査を受けられるため、プライバシーが守られる無料で検査を受けられる予約が不要な場合がある | 検査できる性感染症の種類が限られている場合がある検査結果が出るまでに時間がかかる場合がある |
検査キット
オンライン診療や民間の検査センターでは、検査キットを購入して自宅で検体を採取し、郵送で検査を依頼することができます。
メリット | デメリット |
---|---|
自宅で検査できるので、プライバシーが守られる自分のペースで検査できる全国どこからでも利用できる | 検査キットの費用がかかる検査結果が出るまでに時間がかかる場合がある検査結果について医師に相談できない |
性病検査を受ける際の注意点3つ
性病検査は、早期発見・早期治療のために重要です。検査を受ける上での注意点を事前に理解しておきましょう。
注意点1|生理中の検査は制限される
生理中は、血液や分泌物に経血が混入してしまうため、検査結果に影響が出る可能性があります。そのため、多くの場合、生理中の検査は推奨されません。特に、子宮頸がん検査や膣分泌物検査は、生理が終わってから受けるようにしましょう。
ただし、性感染症の種類や検査方法によっては、生理中でも検査可能な場合があります。検査を受ける前に、医療機関に相談してみてください。
注意点2|複数の性感染症検査を同時に行ったほうがよい
性感染症は、複数の病気に同時に感染している場合があり、また、自覚症状がない場合も多いです。そのため、性病検査を受ける際には、複数の性感染症を同時に検査することをおすすめします。
医療機関では、複数の性感染症をまとめて検査できるセットメニューを用意しているところもあるため、積極的に利用を検討してみてください。
注意点3|パートナーと同時に検査を受けることが望ましい
性感染症は、性行為によってパートナー間で感染し合う可能性があります。もし、どちらか一方だけが検査を受けて治療を行っても、パートナーが感染している場合は、再び感染してしまう可能性があります (ピンポン感染)。
そのため、性感染症の検査を受ける際は、パートナーと一緒に検査を受けることが望ましいです。お互いに検査を受けることで、早期発見・早期治療につながり、ピンポン感染を防ぐことができます。
まとめ
性病検査は、血液検査、尿・分泌物検査、うがい液検査の主に3つの方法で行われます。各検査方法にはそれぞれ検出できる性感染症が異なり、また感染から検査可能となるまでの期間も性感染症によって様々です。
検査を受けられる場所としては、医療機関、保健所、検査キットの3つの選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ご自身の状況にあった適切な方法を選択しましょう。
検査を受ける際は、生理中は検査精度が低下する可能性があること、複数の性感染症に同時感染している可能性があるため包括的な検査が推奨されること、そしてピンポン感染を防ぐためパートナーとの同時検査が望ましいことが挙げられます。
これらの点に注意し、適切なタイミングと方法で検査を受けることが、性感染症の予防と治療に効果的です。