「マンジャロとリベルサス、どちらを選べばいいの?」「注射と飲み薬で効果にどれくらい差があるの?」「自分のライフスタイルにはどちらが合っているのか知りたい」という方は多いのではないでしょうか。
マンジャロとリベルサスは、どちらも食欲を抑える効果が期待できるGLP-1受容体作動薬の仲間ですが、投与方法や作用メカニズム、期待できる効果の強さが大きく異なります。
この記事では、マンジャロとリベルサスの違いを投与方法から効果、費用まで詳しく比較し、目的別の選び方や併用・切り替えの注意点まで包括的に解説します。自分に最適な医療ダイエットを選ぶための参考にしてください。
三重大学医学部医学科を卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院にて糖尿病・代謝・内分泌内科を専門とする臨床経験を積み、専門医としての研鑽を重ねる。糖尿病、脂質異常症、甲状腺疾患、副腎疾患、骨粗鬆症などの内分泌・代謝疾患に幅広く対応し、生活習慣病を含む慢性疾患の包括的な管理に精通している。専門は「糖尿病・代謝・内分泌」。エビデンスに基づいた診療と、患者一人ひとりの生活背景を重視したきめ細やかな医療を実践している。
目次
マンジャロとリベルサスの違いは?ひと目でわかる比較表でチェック
マンジャロとリベルサスは、どちらも食欲を抑える効果が期待できるGLP-1受容体作動薬の一種ですが、その使い方や特徴は大きく異なります。最も大きな違いは、マンジャロが「週1回の注射薬」であるのに対し、リベルサスは「毎日飲む内服薬」である点です。
どちらも元々は2型糖尿病の治療薬として開発されましたが、有効成分や作用の強さ、期待できる体重減少効果が異なるため、ご自身のライフスタイルや目標に合わせて選ぶことが重要です。まずは、以下の比較表で全体像を確認しましょう。
| 項目 | ![]() | ![]() |
|---|---|---|
| 薬のタイプ | 注射薬(週1回) | 経口薬(飲み薬・毎日服用) |
| 有効成分 | チルゼパチド(GIP+GLP-1受容体作動薬) | セマグルチド(GLP-1受容体作動薬) |
| 主な目的 | 血糖コントロール+体重減少 | 血糖コントロール+軽度の体重減少 |
| 作用の仕組み | 食欲抑制+脂肪代謝促進(デュアル作用) | 食欲抑制(GLP-1単独作用) |
| 服用頻度 | 週1回注射(自己投与) | 毎朝空腹時に1回服用 |
| 副作用 | 吐き気・下痢・倦怠感など | 吐き気・胃のムカつきなど |
マンジャロ|週1回のGIP+GLP-1作動注射薬

- 週1回の注射で血糖値と体重を同時に改善
- GIP作用により脂肪代謝を高め、リベルサスより減量効果が高い
- 副作用は強めだが、慣れれば継続しやすい
マンジャロは、週に1回ご自身で注射するタイプの治療薬です。最大の特徴は、食欲を抑える「GLP-1」と、脂肪の代謝を促進する効果も期待できる「GIP」という2つのホルモンの受容体に同時に作用する点です。
このデュアル作用により、リベルサスを含む従来のGLP-1受容体作動薬よりも強力な食欲抑制効果と体重減少効果が臨床試験で確認されています。週1回の投与で済むため、毎日の服用管理が面倒な方にも適しています。ただし、効果が強い分、副作用も出やすい傾向があるため、医師の指導のもと慎重に始める必要があります。
リベルサス|毎日飲むGLP-1経口薬

- 注射が苦手な人でも始めやすいGLP-1治療薬
- 食欲抑制作用で自然に食事量を減らす
- 服用タイミング(朝食前30分)に注意が必要
リベルサスは、世界で初めて開発された経口タイプ(飲み薬)のGLP-1受容体作動薬です。「注射は怖い」「自己注射に抵抗がある」という方でも、手軽に始められるのが最大のメリットです。
GLP-1の受容体に単独で作用し、食欲を自然に抑制することで、無理なく食事量を減らしていきます。毎日服用する必要がありますが、その分、効果が穏やかで副作用も比較的マイルドとされています。ただし、「毎朝、起床後の空腹時にコップ半分の水で服用し、その後30分は飲食禁止」という服用ルールを守る必要があります。
マンジャロとリベルサス、どっちが痩せるの?
結論から言うと、マンジャロは強力なデュアル作用により、短期間でしっかりと結果を出したい方に向いています。一方、リベルサスは効果が穏やかな分、「続けやすさ」を重視し、時間をかけてゆっくりと体重を落としたい方に適していると言えるでしょう。
マンジャロは作用が強い分、副作用も出やすい傾向
| 投与量 | 平均体重減少量 | 体重減少率 |
|---|---|---|
| 5mg | -5.8kg | -7.8% |
| 10mg | -8.5kg | -11.0% |
| 15mg | -10.7kg | -13.9% |
マンジャロは効果が高い反面、治療初期に吐き気や下痢、倦怠感といった副作用が現れやすい傾向があります。多くは体が慣れるにつれて軽減しますが、日常生活に支障が出る場合もあるため注意が必要です。
リベルサスは用量を少しずつ増やすことで慣れやすい
| 投与量 | 平均体重減少量 | 体重減少率 |
|---|---|---|
| 3mg | -1.6kg | -2.1% |
| 7mg | -2.5kg | -3.1% |
| 14mg | -2.8kg | -3.7% |
参考:PIONEER 9試験
リベルサスは効果が穏やかなため、副作用も比較的マイルドとされています。3mgという低用量からスタートし、体の反応を見ながら7mg、14mgと段階的に用量を増やしていくため、副作用に身体を慣らしやすいのが特徴です。
マンジャロとリベルサスの費用の違い
マンジャロとリベルサスはどちらも2型糖尿病治療薬として保険適用が可能ですが、「ダイエット目的」で処方を受ける場合は自由診療(自費)となります。
| 項目 | マンジャロ(チルゼパチド) | リベルサス(セマグルチド) |
|---|---|---|
| 薬のタイプ | 注射薬(週1回) | 経口薬(飲み薬・毎日服用) |
| 費用目安 | 20,000〜40,000円程度/月 | 10,000〜25,000円程度/月 |
マンジャロは新しい注射薬のため、薬剤コストがやや高めに設定されています。一方、リベルサスは飲み薬のため、一見すると安価に見えます。ただし、どちらの薬も用量によって費用は大きく変動します。また、これらの薬剤費に加えて、初診料や再診料が別途必要になることが一般的です。
【目的別】マンジャロとリベルサス、どちらを選ぶべき?
目的やライフスタイルによって、どちらの薬が適しているかは異なります。以下を参考に、どちらが適しているかを検討してみましょう。
| タイプ | おすすめの薬 | 理由 |
|---|---|---|
| 忙しく週1で済ませたい | ▶マンジャロ | 投与頻度が少なく管理が簡単 |
| 注射が苦手・毎日管理できる人 | ▶リベルサス | 飲み薬で手軽に始められる |
| 医療ダイエットでしっかり落としたい | ▶マンジャロ | デュアル作用で強力な減量効果 |
| 副作用を抑えつつゆるやかに痩せたい | ▶リベルサス | 効果が穏やかで慣れやすい |
マンジャロとリベルサスの併用・切り替えはできる?
「より高い効果を求めて、両方の薬を一緒に使えないか?」「一方の薬が合わなかった場合、もう片方に変更できるのか?」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。
結論から言うと、同時併用は絶対にNGですが、医師の管理下での切り替えは可能です。
同時併用は絶対にNG!副作用のリスクが非常に高まります
マンジャロとリベルサスは、どちらもGLP-1受容体に作用する医薬品です(マンジャロはGIPにも作用)。この2つを同時に使用することは、同じ作用を持つ薬を過剰に投与することになり、吐き気や下痢、低血糖といった副作用のリスクを極めて危険なレベルまで高めてしまいます。
効果が高まることはなく、身体に深刻なダメージを与えるだけです。いかなる理由があっても、自己判断で2つの薬を併用することは絶対にやめてください。
切り替えは医師の管理下でのみ可能
一方の薬からもう一方の薬への「切り替え」は、医師の判断と厳格な管理下において行われることがあります。例えば、「リベルサスを服用しているが、期待したほどの効果が得られないため、より作用の強いマンジャロに切り替える」「マンジャロの副作用が強く、よりマイルドなリベルサスに変更する」といったケースが考えられます。
ただし、この2つの薬は作用の強さや副作用の出方が異なるため、切り替えには専門的な知識と慎重な用量調整が不可欠です。必ず医師に相談し、その指導に従って切り替えを行ってください。自己判断で薬を中止したり、変更したりすることは大変危険です。
医療ダイエットを始めるなら、ミライメディカルクリニックがおすすめ
マンジャロダイエットに関心があり、手軽に始めたいとお考えであれば、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめです。オンラインでマンジャロの診察から処方、そして薬の受け取りまでをスムーズに行えます。
自宅や職場など、場所を選ばずに医師の診察を受けられるため、医療機関への移動時間や待ち時間を気にすることなく、ご自身の都合の良い時間にオンラインで相談が可能です。これは、ダイエットを継続していく上での大きな利便性と言えるでしょう。
また、オンライン診療でありながらも、医師による丁寧なカウンセリングと診察を受けることができます。マンジャロダイエットに関する疑問や不安をじっくりと相談し、ご自身の健康状態やライフスタイルに合わせた適切なアドバイスを受けることができます。
なお、マンジャロ注射以外にも、リベルサスやメトホルミン、フォシーガなどの服用タイプの薬剤もあるため、医師と相談の上、ご自身に合ったものを検討してみてください。
まとめ|強い効果を求めるならマンジャロ、手軽さ重視ならリベルサス
マンジャロとリベルサスの最大の違いは、マンジャロが週1回の注射薬であるのに対し、リベルサスが毎日服用する経口薬である点です。マンジャロはGIPとGLP-1のデュアル作用により強力な食欲抑制と脂肪代謝促進効果を発揮し、臨床試験で7.8〜13.9%の体重減少を示しています。一方、リベルサスはGLP-1単独作用で穏やかな効果を持ち、2.1〜3.7%の体重減少にとどまります。
費用面では、マンジャロが月額20,000〜40,000円、リベルサスが10,000〜25,000円と、マンジャロの方が高額ですが、効果の強さを考慮するとコストパフォーマンスは一概に比較できません。副作用は両者とも消化器症状が中心ですが、マンジャロの方がやや強く現れる傾向があります。
目的別の選択基準として、忙しく週1回で管理したい、しっかりと体重を落としたい場合はマンジャロが適しており、注射が苦手で手軽に始めたい、副作用を抑えながらゆっくり痩せたい場合はリベルサスが向いています。
両薬剤の同時併用は副作用リスクが極めて高く絶対NGですが、医師の管理下での切り替えは可能です。ミライメディカルクリニックのようなオンライン診療専門クリニックなら、全国どこからでも専門医の適切な指導を受けられます。利用を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
