妊娠初期、「お腹が鳴るのに、なぜか何も食べる気がしない…」そんな状態に困惑している妊婦さんは少なくありません。空腹なのに食欲がわかない、食べ物の匂いを嗅いだだけで吐き気がするというのは妊娠初期のつわりによくある症状です。
この記事では、「お腹が空くのに食べられない」というつらいジレンマを抱える妊婦さんに向けて、その理由と効果的な対処法、そして比較的食べやすい食品をご紹介します。つわりを少しでも快適に乗り切るためのヒントが見つかれば幸いです。

目次
つわり中に「お腹が空くのに食べられない」となるのはなぜ?
妊娠初期のつわりによって嗅覚や味覚が過敏になり、「お腹は空くのに、食べたくない」というジレンマに陥る方もいらっしゃいます。普段は美味しく感じていたものが、急に受け付けなくなったり、特定の匂いで吐き気をもよおしたりするケースも珍しくありません。
そのため、空腹を感じていても、食べ物の匂いや味を想像するだけで気分が悪くなり、食欲がわかないという状況に陥ってしまうのです。また、常に胃の調子が悪く、吐き気が続いていると、食べ物を口にすること自体が億劫になってしまうということが考えられます。

(PRTIMES「ルナルナ|“つわり”について」を参考に編集部作成)
上記のアンケートによると、つわりの症状として78.9%の人が「胸やけ・むかむか感・胃もたれ」を感じており、最も多いことが分かりました。それに次ぐように「吐き気・おう吐(77.3%)」「においに敏感になる(67.2%)」となっています。
また、「食欲不振」も48.3%の回答があり、食事に関しての悩みは、多くの妊婦さんが直面する深刻な問題であることが分かります。
つわりで食べたくない時の対処法3つ
つわり中は、お腹は空くのに食べたくないというジレンマに悩まされる妊婦さんが多くいらっしゃいます。このつらい時期を少しでも快適に乗り切るためにも、ここでは、つわりで食べたくない時の対処法をご紹介いたします。
対処法1|何でもいいから食べられるものを摂取する
つわり中は、特定の食べ物を受け付けなくなることがありますが、食べられるものがあれば、無理せずそれを食べましょう。栄養バランスを気にすることももちろん大切ですが、この時期は、食べられるものを食べられる時に食べる、ということのほうが重要です。
食べられるもの、食べたいと思ったものを少しでも口にするようにしましょう。一般的には、冷たくてのど越しの良いゼリーやヨーグルト、さっぱりとした果物などがおすすめです。また、温かいお味噌汁やスープなども、胃に優しく栄養補給にも役立ちます。
対処法2|少量の食事をこまめにとる
一度にたくさんの量を食べようとすると、胃に負担がかかり、吐き気をもよおすことがあります。1日5〜6回ずつに分けて少量の食事をこまめにとるように心がけましょう。グミなどでも良いので、手軽に食べられるものを用意しておくと便利です。
また、水分補給も大切です。脱水症状を防ぐためにも、こまめに水分を摂るようにしましょう。麦茶やスポーツドリンク、「OS-1」などの経口補水液、そして、氷を舐めることも水分補給の一つの方法として有効です。
対処法3|酸味のあるものや生姜を活用する
つわり中には、酸味のあるものが食べたくなる妊婦さんもいます。レモンやグレープフルーツなどの柑橘類、梅干しなどがおすすめです。また、生姜には吐き気を抑える効果があると言われています。生姜湯や生姜を使った料理を積極的に取り入れてみましょう。
ただし人によっては、においが受け付けず逆効果になる場合もあります。ご自身の体調に合わせて、無理なく取り入れるようにしてください。
つわりでお腹空くけど食べたくない時におすすめの食べ物5選
つわり中は、お腹は空くのに食べたくないというジレンマに悩まされる妊婦さんが多くいらっしゃいます。ここでは、つわり中でも比較的食べやすい食品を5つご紹介します。
①ゼリー類
ゼリーは、つるんとした喉越しで食べやすく、水分補給にもなります。つわりで食欲がない時でも、少量ずつ摂取しやすいでしょう。
市販のゼリー飲料や、手作りのゼリーなど、様々な種類を試してみるのも良いかもしれません。果物や野菜が入ったゼリーを選べば、栄養補給もできます。
②冷たい果物
冷たい果物は、つわりの時期にさっぱりと食べられます。特に、柑橘系の果物は、つわり特有の吐き気を軽減する効果も期待できます。
特に、スイカやメロン、ぶどうや梨など、水分を多く含むものがおすすめです。また、りんごやバナナなど手軽に食べられる果物もよいでしょう。
③そうめん
そうめんは、あっさりとした味付けで、ツルツルと食べやすいので、つわり中でも比較的食べやすい麺類です。
冷たい麺類は、温かい麺類よりも吐き気を催しにくい傾向があります。めんつゆ以外にも、ゴマだれや梅干し、レモン汁などをかけて、味の変化を楽しむのも良いでしょう。
④豆腐
豆腐は、高タンパク質で低カロリーな食品です。冷奴や湯豆腐など、シンプルな調理法で食べやすく、消化にも良いので、つわり中の体に負担をかけません。また、豆腐には、カルシウムや鉄分などのミネラルも豊富に含まれています。
⑤フライドポテト
意外かもしれませんが、フライドポテトなどの塩気のある食べ物が食べたくなる妊婦さんもいます。つわり中は、自分の食べたいものを食べられる時に食べるのが良いでしょう。ただし、揚げ物は胃もたれしやすいので、食べ過ぎには注意してください。
食べ物が受け付けない時はせめて水分補給をしよう
つわりで食べられない時、心配なのは栄養不足です。しかし、食べられないからといって、無理に食べる必要はありません。まずは、水分補給を心がけましょう。
脱水症状を防ぐためには、こまめな水分摂取が効果的です。常温の水や麦茶はもちろん、柑橘系のジュースなどもおすすめです。ただし、糖分の摂りすぎには注意しましょう。必要に応じて水で薄めたりするのも効果的です。
また、経口補水液も有効です。経口補水液は、水分の吸収を助ける電解質が含まれています。つわりで食欲がない時でも、経口補水液であれば比較的飲みやすいでしょう。どうしても水分が摂れない場合は、氷を口に含むのも有効です。
あまりにもつわりがひどい場合は、栄養不足や脱水症状に陥る可能性があるため、我慢せずに医師に相談するようにしてください。
まとめ
妊娠初期のつわりの中でも、「お腹が空くのに食べられない」という状況は特につらいものです。アンケート結果からも、胸やけやむかつき感、吐き気、においへの過敏さ、食欲不振など、食事に関わる悩みが妊婦さんの大多数を占めていることがわかります。
このようなつわりの時期を乗り切るためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。まず、栄養バランスよりも「今、食べられるもの」を優先すること。少量の食事を一日に分けて何度も摂取する方法も効果的です。また、酸味のあるものや生姜など、吐き気を和らげる食材を取り入れるのもおすすめです。
実際に食べやすい食品としては、ゼリー類、冷たい果物、そうめん、豆腐、そしてフライドポテトなどの塩気のあるものなどが挙げられます。これらは比較的胃に負担をかけず、つわり中でも受け入れやすい傾向があります。
どうしても食べることができない場合でも、水分補給だけは欠かさないようにしましょう。脱水症状は母体と赤ちゃん両方に影響を及ぼします。水やお茶、経口補水液などを少しずつでも継続的に摂取することが重要です。
つわりは必ず終わりが来ます。無理せず、ご自身のペースで乗り切っていきましょう。症状がひどい場合は、我慢せずに医師に相談するようにしてくださいね。