つわりに波があるのはなぜ?時期や日による変化の理由と対処法を紹介

つわりの症状は常に一定ではなく、波のように強くなったり弱くなったりするもの。つわりのピークはいつ頃なのか、そしてこの辛い時期をどう乗り越えれば良いのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、つわりの波が起こる原因や一般的な時期、赤ちゃんへの影響、そして効果的な対処法について詳しく解説します。不安を軽減し、少しでも楽に妊娠初期を過ごせるように、つわりの波を理解していきましょう。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

つわりの波があるのは普通?日によって違う?

つわりは、人によって症状や期間が大きく異なります。波のように症状が強くなったり弱くなったりすることも珍しくありません。

ある日は吐き気がひどくても、次の日は比較的落ち着いている、といった経験をする妊婦さんも多くいらっしゃいます。そのため、つわりの重さが日によって違ったり、波があることに対して不安に思う必要はありません。

つわりの波がある時期はいつ?妊娠6週目~13週の変化

つわりの波は、妊娠6週頃から始まり、13週頃には落ち着くことが多いようです。妊娠6週頃からつわりが始まり、8週、9週と進むにつれて徐々に症状が強くなる傾向にあります。

8週〜10週頃がつわりのピークと言われることもありますが、個人差が大きいため、必ずしも当てはまるわけではありません。妊娠13週頃になると、ピタッとつわりが軽くなる方も出てきます。

しかし、中にはつわりが長引く方もいらっしゃいますので、世間一般の目安と照らし合わせるよりも、ご自身の体の変化に耳を傾けることが大切です。

赤ちゃんに影響はある?心配しすぎなくても大丈夫?

つわりの波があることで、赤ちゃんへの影響を心配する方もいるかもしれませんが、つわり自体は、「赤ちゃんが順調に育っているサイン」とも言われています。そのため、多少の波があること自体は、過度に心配する必要はありません。

ただし、全く食べられない、水分も取れないなど、日常生活に支障が出るほどのつわりが続く場合は、かかりつけ医に相談しましょう。栄養不足や脱水症状などを防ぎ、適切な処置を受けることが大切です。

つわりの波がある場合に考えられる主な原因3つ

つわりは、まるで波のように症状が強くなったり、弱くなったりすることがあります。なぜ、このような波があるのでしょうか。考えられる原因を見ていきましょう。

原因1|時間帯による影響

つわりの波は、時間帯によって影響を受けることがあります。

時間帯考えられる原因
空腹による低血糖でつわりが悪化しやすい
食事のにおいや満腹感が原因で症状が変化する
一日の疲れが蓄積し、症状が悪化しやすい

自分がどういう状態の時に悪化しやすいかを記録してみて、関連性がないか確認してみるのもよいでしょう。

原因2|特定のシチュエーションでつらくなるケース

つわりの波は、特定のシチュエーションで強くなることもあります。

  • 通勤時の満員電車での匂い
  • 仕事や家事による心理的負担
  • 休日や仕事終わりの疲労

通勤や仕事中など、精神的なストレスがかかる状況では、つわりが悪化しやすいため注意が必要です。反対に、週末や休日のほうが緊張感が薄れて悪化しやすいという人もいます。

原因3|ホルモンバランスの変化

妊娠すると、女性の体内ではホルモンバランスが大きく変化します。特に、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やエストロゲン、プロゲステロンといったホルモンの分泌量が増加し、これらのホルモンが吐き気や嘔吐を引き起こす原因の一つと考えられています。

妊娠週数が進むにつれて、ホルモンバランスも変化していくため、つわりの症状も変化していくことが多いです。例えば、6週、8週、9週、12週、13週と週数が進むにつれて、つわりの波の大きさや頻度も変わってくる可能性があります。

つわりの波があるときの対処法

つわりは、波のように症状が強くなったり弱くなったりすることもあります。つわりがひどい時期は、妊娠6週、8週、9週、12週、13週など様々です。特に妊娠初期のつわりは、日によって波があるように感じる方もいらっしゃいます。

対処法1|体調の変化に合わせて無理をしない

つわりは、人によって症状や期間が異なります。少しでも体調が優れないと感じたら、無理せず横になったり、休憩を取ったりしましょう。睡眠不足もつわりを悪化させる原因となるため、しっかりと睡眠時間を確保することも大切です。

また、つわり中は、食べられるものと食べられないものが日によって変わることがあります。

無理に食事を摂る必要はありませんが、食べられる時に食べられるものを少量ずつ食べるようにしましょう。冷たいものやさっぱりとしたもの、消化の良いものなどが食べやすいかもしれません。

対処法2|事前の準備を整える

つわりの期間中は、いつ体調が悪くなるか分かりません。波がある人の場合は、調子が良い時に動き回りたくなる気持ちもあると思いますが、無理は禁物です。

急につわりが襲ってきたときに慌てないよう、エチケット袋やウェットティッシュ、飴やガムなど口に含むものや、飲み物を持ち歩くようにしましょう。

つわりの波があるけど、我慢すべき?主治医に相談を

ある日は比較的穏やかでも、次の日は吐き気がひどく何も食べられない、というように日によって症状の強さが変わるのはよくあることです。妊娠6週、8週、9週、12週、13週など、妊娠初期から中期にかけて、この波のような症状の変化に戸惑う妊婦さんも少なくありません。

つわりがつらい時は、我慢せずに主治医に相談することをおすすめします。つわりで食事がとれず、脱水症状や体重減少が気になる場合などは、早めに相談しましょう。ビタミンB6の処方や、点滴による水分補給などの対応をしてもらえる可能性があります。

妊娠初期のつわりは、つらいものですが、多くの場合、妊娠13週頃には落ち着いてきます。つわりの波にうまく付き合いながら、穏やかに妊娠期間を過ごせるように、専門家のサポートも活用していきましょう。

まとめ

つわりは、妊娠初期に現れる吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状です。その症状の重さや持続期間は人それぞれで、全く感じない人もいれば、入院が必要なほど重症化する人もいます。そして、多くの妊婦さんが経験するのが、つわりの波のような症状の変化です。

ある日は比較的調子が良いのに、次の日は全く起き上がれないほどつらい、といった経験をする妊婦さんも少なくありません。この波は、ホルモンバランスの変化や精神的な影響など、様々な要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。

つわりの波にうまく対処するためには、まず自分の体の状態を把握することが大切です。つわりがひどい時は無理をせず、横になって休むようにしましょう。食べられるもの、飲めるものを少しずつ摂ることも重要です。また、気分転換をしたり、周りの人にサポートをお願いすることも有効です。

つわりの波は、妊娠という大きな変化の中で、体が適応しようとしている証でもあります。辛い時期ではありますが、自分にとって楽な方法を見つけ、乗り越えていきましょう。

つらい時は一人で抱え込まず、周りの人に相談したり、必要に応じて医療機関を頼ることも重要です。必ずサポートしてくれる人がいますので、気軽に相談してみてください。

関連記事

LINE友達追加