おりものが黄色いのは異常?心配ない症状と受診したほうがいい場合の目安も紹介

黄色いおりものは、正常な場合と異常な場合があります。異常が疑われるのは、濃い黄色や黄緑色のおりものが出る、魚が腐ったような悪臭がする、外陰部のかゆみや痛みがあるといった場合です。

この記事では、異常な場合のおりものの特徴や、おりものが黄色くなる際に考えられる原因、そして受診の目安を紹介します。異変に不安を感じたら、一人で抱え込まず婦人科に相談してみましょう。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

おりものは酸化すると黄色っぽくなることがある

おりものは、膣や子宮頸部から分泌される液体です。自浄作用があり、膣内を清潔に保ち、有害な細菌から体を守っています。正常なおりものは透明〜乳白色で、無臭またはわずかに酸っぱいにおいがする場合があり、量は生理周期によって変化します。

おりものが黄色いと焦ってしまうかもしれませんが、下着についた後、空気に触れて酸化することで黄色っぽく変化することがあります。これは自然な現象なので、特に心配する必要はありません。

黄色いおりもの、異常な場合の特徴3つ

おりものの色は、健康状態のバロメーターとなることがあります。薄い黄色程度であれば特に心配する必要はありませんが、以下のような特徴を含む場合は注意が必要です。

特徴1|濃い黄色や黄緑色をしている場合

おりものは、通常、透明〜白っぽい色をしています。しかし、濃い黄色や黄緑色のおりものは、細菌感染症などの可能性があります。

例えば、トリコモナス腟炎では、黄緑色で泡状のおりものが特徴的です。また、細菌性腟炎では、灰色がかった黄色のおりものに、魚が腐ったような臭いを伴うことがあります。おりものが濃い黄色や黄緑色の場合は、自己判断せず、婦人科を受診することをお勧めします。

特徴2|魚が腐ったような悪臭がする場合

おりものに、魚が腐ったような独特の悪臭がある場合は、細菌性腟炎の可能性が高いです。細菌性腟炎は、腟内の常在菌のバランスが崩れることで起こる感染症です。

おりものの色だけでなく、臭いにも注意を払うことで、早期発見に繋がる可能性があります。おりものに悪臭がある場合は、放置せず、早めに婦人科を受診しましょう。

特徴3|外陰部のかゆみや痛みがある場合

黄色いおりものに加えて、外陰部の強い痒みや痛みがある場合は、カンジダ症やトリコモナス腟炎などの感染症が疑われます。カンジダ症では、カッテージチーズのような白いおりものが出る場合もありますが、黄色っぽいおりものが出ることもあります。

おりものの色の変化だけでなく、かゆみや痛みなどの症状にも注意し、異変がある場合は速やかに婦人科を受診するようにしてください。

おりものが黄色い場合に考えられる主な原因3つ

ここでは、おりものが黄色い場合に考えられる主な原因を3つ紹介します。心当たりがあるか確認してみましょう。

原因1|性感染症

性感染症には、クラミジア、淋病、トリコモナス症など、さまざまな種類があります。黄色や黄緑色で、魚が腐ったような臭いを伴うおりものは、性感染症のサインかもしれません。

性感染症おりものの変化その他の症状
クラミジア黄色や白色粘り気が強いにおい少なめ下腹部痛性交痛
淋病黄色や緑色の膿状量が多い排尿時痛下腹部痛
トリコモナス症黄緑色や灰色泡立ちやすい魚が腐ったような悪臭かゆみ外陰部の腫れ

性感染症は放置すると、不妊症などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、少しでも異変を感じたら、早めに婦人科を受診することが大切です。

原因2|細菌性腟炎

細菌性腟炎は、膣内の細菌のバランスが崩れることで起こる感染症です。おりものが灰色っぽい白や黄色になり、生臭い独特の臭いがするのが特徴です。かゆみや痛みなどの自覚症状がない場合もあります。

細菌性腟炎は性交渉の有無に関わらず発症する可能性があり、再発しやすいのも特徴です。おりものの変化や臭いが気になったら、婦人科で検査を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。

参考:日本性感染症学会「細菌性腟症

原因3|萎縮性腟炎(更年期以降の女性)

萎縮性腟炎は、主にエストロゲンの減少によって膣の粘膜が薄く、乾燥しやすくなることで起こります。

更年期以降の女性に多くみられる症状で、おりものが黄色っぽくなり、少量になったり、逆に水っぽくなることもあります。また、性交痛や排尿痛などの症状を伴う場合もあります。症状が気になる場合は、婦人科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

おりものが黄色い場合に婦人科を受診する目安は?

ここでは、おりものが黄色い場合に、婦人科を受診する目安を3つ紹介します。

目安1|症状が1週間以上続く

おりものが黄色くなった状態が1週間以上続く場合は、婦人科への受診をおすすめします。

おりものは、健康状態やホルモンバランスによって変化するものですが、長期間にわたって異常が続く場合は、感染症などの病気が原因となっている可能性があります。

目安2|膿や血が混じっている

おりものに膿や血が混じっている場合は、子宮や卵巣に炎症が起きている可能性があります。色が濃い黄色や黄緑色で、粘り気が強い場合や、悪臭を伴う場合は特に注意が必要です。

子宮内膜炎や卵管炎などの深刻な病気が隠れている可能性もあるため、速やかに婦人科を受診しましょう。

目安3|炎症や腹痛など別の症状を伴う

おりものが黄色いことに加えて、外陰部のかゆみや痛み、下腹部痛、発熱などの症状がある場合は、すぐに婦人科を受診してください。

これらの症状は、性感染症(STD)や骨盤内炎症性疾患(PID)などの病気を示唆している可能性があります。早期発見・早期治療が重要となるため、自己判断せず、医療機関で適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

まとめ

通常、おりものは透明から乳白色をしていますが、空気に触れて酸化することで自然に黄色っぽくなることがあります。この場合であれば、基本的には心配する必要はありません。

しかし、濃い黄色や黄緑色のおりもの、魚が腐ったような悪臭、外陰部のかゆみや痛みといった症状が見られる場合は、注意が必要です。これらの症状は、性感染症、細菌性腟炎、萎縮性腟炎などの病気の兆候である可能性があります。特に、性感染症は自覚症状が乏しい場合もあるため、不安を感じたら早めに検査を受けることが大切です。

黄色いおりものが1週間以上続く、膿や血が混じっている、炎症や腹痛などの他の症状を伴うといった場合は、婦人科を受診しましょう。早期に適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、健康な状態を維持することができます。

おりものの変化は、身体からの重要なサインです。普段から自分のおりものの状態を把握し、少しでも気になることがあれば、ためらわずに専門機関に相談しましょう。

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