いびきを防止する方法は?市販グッズの選び方とタイプ別の対策を紹介

「いびきを今すぐどうにかしたい」「手軽に試せる防止グッズが知りたい」とお困りの方も多いはず。いびきの防止策は、寝具・姿勢の見直し、鼻・口の呼吸環境改善、筋肉・習慣の根本改善という3つのアプローチに分類でき、これらを組み合わせることが効果的です。

この記事では、いびきを防止するための3つのアプローチ方法、人気の防止グッズ5種類の比較、タイプ別のおすすめ対策、グッズを使う際の注意点、セルフケアで改善しない場合の医療機関受診まで解説します。いびきを効果的に防止したい方はぜひ参考にしてみてください。

いびきを防止するための3つのアプローチ方法

いびきの防止策は、対症療法から根本改善まで多岐にわたりますが、大きく3つのアプローチに分類できます。これらを組み合わせて行うことが、いびきを効果的に防止する鍵となります。

方法1|寝具・姿勢を見直して物理的に気道を確保する

いびきの多くは、睡眠中に舌が喉の奥に落ち込んだり、首が不自然に曲がったりして気道が狭くなることで発生します。最も即効性があり、物理的にこれを解決するのが「姿勢」の改善です。仰向け寝ではなく「横向き寝」を心がけることで、舌の落ち込みを重力の影響から防ぎます。研究によれば、横向き寝では仰向け寝と比較して、いびきの時間と強度が有意に低下することが示されています。

また、枕が高すぎたり低すぎたりすると気道を圧迫するため、自分の首のカーブに合った高さの枕に見直すことも、気道を確保する上で非常に重要です。

参考:PMC「The undervalued potential of positional therapy in position-dependent snoring and obstructive sleep apnea

方法2|鼻・口の呼吸環境を整えて通りを良くする

鼻炎や鼻中隔弯曲症などで鼻の通りが悪いと、不足した酸素を補おうと無意識に「口呼吸」になりがちです。口呼吸は舌の落ち込みを誘発し、いびきの大きな原因となります。研究によれば、鼻閉塞は睡眠の分断、睡眠不足、そしていびきや睡眠時無呼吸症候群の悪化を引き起こすことが示されています。

鼻腔拡張テープで鼻の通りを良くしたり、口閉じテープで口呼吸を防ぎ鼻呼吸へ誘導したりするなど、呼吸の環境を整えて空気の通りをスムーズにすることが対策となります。

参考:Mayo Clinic Proceedings「Nasal influences on snoring and obstructive sleep apnea

方法3|根本改善のため筋肉・習慣を鍛える

いびきの根本原因には、肥満による首周りの脂肪沈着や、加齢・疲労による喉の筋力の低下が関わっています。研究によれば、肥満患者では舌の脂肪が増加し、これが気道閉塞の主要な要因となることが示されています。

適正体重を維持するための減量や、喉の筋肉を鍛えるトレーニング、そして喉の筋肉を過度に弛緩させる就寝前のアルコールや喫煙を控えるといった「生活習慣の改善」が、最も本質的な対策と言えます。

参考:PMC「Effect of Weight Loss on Upper Airway Anatomy and the Apnea-Hypopnea Index

人気のいびき防止グッズを徹底比較

いびき対策を手軽に始められる市販の防止グッズは多数あります。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

グッズ名タイプ特徴メリット
口閉じテープ呼吸補助鼻呼吸を促す手軽で安価
いびき防止マウスピース顎固定下顎を前方に出し気道を広げる即効性あり
鼻腔拡張テープ鼻呼吸改善鼻を広げて空気を通しやすくする鼻づまりに有効
いびき防止枕姿勢補正気道を圧迫しにくい角度に調整長期使用で効果安定
スマートいびき防止デバイス振動センサーいびきを感知して軽く刺激最新型・データ可視化

タイプ別!あなたに合ういびき防止策はどれ?

自分のいびきの主な原因がどこにあるかによって、選ぶべき対策は異なります。

口呼吸タイプ|口閉じテープ・鼻腔拡張テープ

朝起きた時に喉がカラカラに乾いている、あるいは無意識に口を開けて寝てしまう人は「口呼吸タイプ」です。まずは「口閉じテープ」で物理的に口を閉じ、鼻呼吸を習慣づけるのが効果的です。

鼻の通りが悪いと感じる場合は、併せて「鼻腔拡張テープ」を使い、鼻呼吸をサポートしましょう。

鼻づまりタイプ|鼻スプレー・加湿器

慢性的な鼻炎やアレルギーで、常に鼻が詰まり気味の人は「鼻づまりタイプ」です。就寝前に鼻スプレーで鼻の通りを良くする、あるいは「鼻腔拡張テープ」で気道を確保します。

また、寝室が乾燥すると鼻粘膜が刺激されるため、「加湿器」で適切な湿度を保つことも重要です。

顎の緩みタイプ|マウスピース・枕の高さ調整

加齢や疲労で喉の筋肉が緩みがちな人、あるいは元々下顎が小さい人は「顎の緩みタイプ」です。「マウスピース」で下顎を前方に固定し、物理的に気道を確保する方法が適しています。

また、仰向け寝でも気道が圧迫されないよう、「枕の高さ調整」を精密に行うことも有効です。

ストレス・疲労タイプ|寝る前のストレッチ・深呼吸習慣

日中の疲労が溜まりすぎていると、睡眠中の筋肉の弛緩が強くなり、いびきが出やすくなります。

このタイプは、寝る前にリラックスする時間を持つことが大切です。軽い「寝る前ストレッチ」で体の緊張をほぐしたり、「深呼吸習慣」で副交感神経を優位にしたりして、質の高い睡眠を心がけましょう。

いびき防止グッズを使うときの注意点

  • 効果には個人差がある(体型・睡眠姿勢・鼻づまりなど)
  • いびきが完全に止まらない場合は無呼吸の可能性も
  • 定期的に清掃・交換を行い衛生的に使用する

手軽ないびき防止グッズですが、使用にあたってはいくつかの注意点があります。まず、いびきの原因は人それぞれであり、体型、睡眠姿勢、鼻づまりの有無などによって、グッズの「効果には個人差がある」ことを理解しておく必要があります。特に市販のマウスピースは、自分の歯並びや顎に合わないと、顎関節症などを引き起こすリスクがあるため注意が必要です。

また、これらのグッズを使ってもいびきが完全に止まらない、あるいは日中の強い眠気が残る場合は、単なるいびきではなく「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性も考えられます。

そして、マスクやマウスピース、枕カバーなどは、皮脂やよだれで雑菌が繁殖しやすいため、肌トラブルや衛生面を考慮し、定期的に清掃・交換を行い、常に衛生的に使用することが大切です。

セルフケアでは防げない「重度のいびき」は受診を検討しよう

いびき防止グッズやセルフケア(減量、禁酒、横向き寝など)を試しても全く改善しない場合や、家族から「呼吸が止まっている」と指摘された場合は、医療機関の受診を推奨します。

いびきの原因が物理的なものである場合、耳鼻咽喉科系のクリニックでは、鼻炎の治療、レーザーによる喉の粘膜の手術、あるいは扁桃肥大の切除手術などが選択肢となることがあります。

さらに、検査の結果、中等症以上の「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と診断された場合は、セルフケアでの根治は困難です。この場合、最も効果的かつ確実な治療法として「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」が適用されます。これは睡眠中にマスクから空気を送り込み、気道の閉塞を確実に防ぐ治療法であり、重度のいびきや無呼吸症状を劇的に改善させることが可能です。

関連記事:「CPAP(シーパップ)とは?睡眠時無呼吸症候群の治療法や具体的な使い方、費用目安を徹底解説

まとめ|いびき防止は3つのアプローチとタイプ別グッズ選びが重要

いびきの防止策は大きく3つのアプローチに分類できます。寝具・姿勢を見直して物理的に気道を確保する、鼻・口の呼吸環境を整えて通りを良くする、根本から起こさないように筋肉・習慣を鍛えるです。

人気の防止グッズとして、口閉じテープ、いびき防止マウスピース、鼻腔拡張テープ(鼻づまりに有効)、いびき防止枕、スマートいびき防止デバイスがあります。

自分に合った防止策は原因タイプで異なり、口呼吸タイプは口閉じテープ・鼻腔拡張テープ、鼻づまりタイプは鼻スプレー・加湿器、顎の緩みタイプはマウスピース・枕の高さ調整、ストレス・疲労タイプは寝る前ストレッチ・深呼吸習慣が効果的です。

注意点として、効果には個人差がある、市販マウスピースは顎関節症のリスクがある、定期的に清掃・交換して衛生的に使用することが重要です。グッズやセルフケアを試しても改善しない場合や「呼吸が止まっている」と指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があり医療機関の受診が推奨されます。中等症以上のSASと診断された場合、CPAP療法が最も効果的な治療法です。

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