排卵出血はいつ起こる?生理や着床出血との違い、受診の目安をわかりやすく解説

生理と生理の間に予期せぬ出血があると驚きますよね。出血が排卵のタイミングで起きたのであれば、排卵出血の可能性が高いです。排卵出血は、排卵の際に起こる少量の出血で、多くの場合心配はいりません。

この記事では、排卵出血の原因や、生理・着床出血との違い、病院に行くべき目安をわかりやすく解説します。排卵のメカニズムや、排卵時に起こりやすい体の変化についても詳しくお伝えするので、自分の体についてより深く理解できるでしょう。

排卵出血は排卵時に起こる少量の出血のこと

(編集部作成)

排卵出血とは、排卵の時期に起こる少量の出血のことです。20代、30代、40代など、年齢を問わず経験する女性もいます。生理とは異なり、通常は少量で、期間も短いのが特徴です。

排卵出血のメカニズム

引用元:政府広報オンライン「2.妊娠が成立するまで

女性の体は、生理後から排卵に向けて、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が増加します。この作用で子宮内膜が厚みを増し、排卵の準備をするのです。そして、排卵が起こると、エストロゲンの分泌が一時的に減少し、代わって黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が始まります。

このホルモンバランスの変化によって、子宮内膜の一部が剥がれたり、卵巣表面の血管が損傷して出血が起こることがあります。これが排卵出血です。

排卵のタイミングは人それぞれですが、一般的には次の生理の約2週間前と言われています。そのため、排卵出血は生理の約2週間前に起こることが多いです。

排卵時に起こる症状

排卵出血の症状は、おりものに少量の血が混じる程度が一般的ですが、軽度の下腹部痛(排卵痛)を伴うこともあります。出血の色は、ピンク色、赤色、茶色など様々で一概には言えません。出血量は少なく、通常1〜3日程度。ナプキンではなくおりものシートで十分な場合が多いです。

時期主な症状
排卵前・おりものの変化(粘り気が強く増加)
・下腹部の痛み
排卵時・排卵痛(下腹部や腰の痛み)
・微量の出血・倦怠感
排卵後・基礎体温の上昇(高温期)
・胸の張り

排卵時の症状は個人差が大きく、すべての症状が現れるわけではありません。症状が強く日常生活に支障をきたす場合は、我慢せずに医療機関へ相談しましょう。

排卵出血と生理、着床出血の違い

排卵出血、生理、着床出血。これらはすべて女性の体から出血を伴う現象ですが、それぞれ原因や時期、症状が異なります。

排卵出血生理着床出血
時期生理開始約2週間前
(排卵時)
毎月規則的生理予定日ごろ
出血量少量(おりものに混じる程度)多いごく少量
出血の色ピンク、茶色、赤赤色薄いピンク、茶色
期間1〜3日程度3〜7日程度1日程度
特徴・20〜40代で経験
・排卵があれば起こりうる
・子宮内膜が剥がれ落ちる
・生理痛を伴うことが多い
・受精卵の着床時に発生
・妊娠の可能性あり

排卵出血は、周期ごとに毎回起こるわけではないので、20代や30代で初めて経験する方もいます。また、排卵出血からそのまま生理に移行することはありません。排卵出血後、生理が来ない、または遅れる場合は妊娠の可能性も考えられます。

着床出血は妊娠の初期兆候の一つですが、着床出血が見られる人は全体の20〜30%程度とされており、必ずしも経験するわけではありません。また、この時期の少量の出血が全て着床出血というわけではありません。妊娠が不安な場合は、まずは妊娠検査薬を使ってみましょう。

排卵出血、生理、着床出血。それぞれの違いを知ることで、自分の体の状態をより理解することができます。出血が続く、量が多い、止まらないなど、出血に不安を感じることがあれば、一人で抱え込まずに医療機関へ相談しましょう。

これって排卵出血?受診の目安

排卵の時期に出血があって不安を感じている方のために、受診の目安をお伝えします。病院に行くか迷っている場合は参考にしてみてください。もちろん、この目安に達していなくても、お悩みであればすぐに医療機関へ相談して問題ありません。

受診の目安1|出血が1週間以上続く場合

排卵出血は通常1〜3日で止まります。1週間以上続く場合や、出血量が多い場合は、子宮内膜症や子宮頸がんなどの婦人科系疾患が関与している可能性があります。たとえば、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科系の疾患が原因で出血しているかもしれません。また、性感染症が原因となっている場合もあります。

排卵出血だと思って放置していたら、実は深刻な病気だったというケースも少なくありません。出血が1週間以上続く場合は自己判断せず、婦人科を受診して適切な検査と治療を受けるようにしてください。

受診の目安2|強い腹痛や腰痛、発熱などの症状がある場合

排卵出血自体は痛みを伴わないことが多いです。もし、出血とともに強い腹痛や腰痛、発熱などの症状が現れた場合は、他の病気が原因かもしれません。子宮外妊娠や卵巣嚢腫破裂などの緊急性を要する病気の可能性も考えられます。

これらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。我慢せずに、早めに医師の診察を受けることが大切です。

受診の目安3|出血を繰り返している場合

排卵出血は毎回起こるものではありません。もし、毎月の生理以外に出血が繰り返している場合は、ホルモンバランスの乱れや他の病気が隠れている可能性があります。排卵のタイミングがいつもより遅く、出血が起きたという場合も、一度婦人科で相談してみましょう。

排卵出血に関するよくある質問

排卵出血に関するよくある質問とその回答を紹介します。

排卵出血の期間はどれくらい?
排卵出血は、一般的に1〜3日程度で終わることが多いです。個人差はありますが、長くても1週間以内には止まるでしょう。40代の方でも、閉経に近づくまでは排卵が起こる可能性があり、排卵出血が見られることもあります。

もし1週間以上出血が続く場合は、一度医療機関に相談してみることをおすすめします。
排卵出血時は妊娠しやすいってほんと?
排卵出血は排卵が起きたサインの一つですが、排卵出血がなくても妊娠する可能性は十分にあります。排卵出血があった場合は、排卵が起きているタイミングと考えられるため、妊娠を望む場合はこの時期の性行為が妊娠の可能性を高めるでしょう。

しかし、排卵出血があるからといって必ずしも妊娠するとは限りません。排卵のタイミングは人によって異なり、また、ストレスなどの要因で排卵が遅れることもあります。基礎体温を測ったり、排卵検査薬を使ったりすることで、より正確な排卵日を把握することが可能です。

まとめ

排卵出血は、排卵の際に起こる少量の出血で、多くの場合心配はいりません。排卵のメカニズムによって起こり、下腹部痛や腰痛、おりものの変化といった症状を伴うこともあります。生理や着床出血との違いを理解しておくことも大切です。

排卵出血は通常1〜3日で自然に止まります。もし1週間以上続く場合や、強い腹痛、腰痛、発熱、不正出血が頻繁に起こる場合は、子宮内膜症や感染症などの可能性があるため、速やかに婦人科を受診しましょう。

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