「マンジャロを使うと鬱になるって本当?」「治療を始めてから気分が落ち込みがちで不安」そんな心配や疑問を抱えている方は少なくないのではないでしょうか。マンジャロは優れた減量効果が期待できる一方で、治療中に体の変化とともに心の変化を感じる方がいるのも事実です。
この記事では、マンジャロと精神状態の関係について、現在分かっている医学的事実から治療中に気分の変化を感じた場合の対処法まで解説します。不安を解消し、安心して治療に取り組めるようにぜひ参考にしてください。
※本記事に掲載されている体験談や口コミは、あくまで個人の感想です。効果・効能には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。また、本記事の内容は医学的アドバイスではありませんので、使用を検討される際は必ず医師にご相談ください。
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マンジャロで鬱になる?医学的に直接的な副作用としては確認されていない

「マンジャロを使うと鬱になる」というネット上の噂や個人の体験談を見て、治療を始めることに不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、2025年9月現在、マンジャロの公式な添付文書や、承認のために世界中で行われた大規模な臨床試験(SURMOUNT-1試験など)において、「うつ病」や「抑うつ状態」が、薬の作用と直接的な因果関係のある副作用として明確に報告されたケースは確認されていません。
医薬品の安全性情報は厳格に管理されており、もし精神状態への重大な影響が確認されれば、必ず公的な注意喚起がなされます。現時点でそれがないということは、「マンジャロそのものが脳に作用して鬱を引き起こす」というリスクは極めて低い、と専門的には考えられています。
ただし、これはあくまで薬の直接的な薬理作用に限った話です。ダイエットという行為そのものが、私たちの身体や心に大きな変化をもたらしたり、治療の過程で気分が落ち込むといった「間接的な影響」が及ぶ可能性は完全には否定できません。
マンジャロの主な副作用は消化器系症状が多い

(KEGG「医療用医薬品:マンジャロ」を元に編集部作成)
マンジャロの副作用として実際に報告されているものの多くは、吐き気、便秘、下痢、嘔吐、食欲不振といった消化器系の症状です。これは、マンジャロが持つ胃の内容物の排出を遅らせる作用などが関係しており、特に治療を開始したばかりの時期や、薬の用量を増やしたタイミングで現れやすい傾向があります。
これらの症状は、体が薬に順応していく過程で自然に軽減していくことがほとんどです。食事を一度にたくさん摂らずに少量ずつに分ける、油っこいものを避けて消化の良い食事を心がける、といった工夫で症状を和らげることも可能です。
マンジャロ使用中に気分が落ち込む原因として考えられる3つのケース

では、直接的な副作用ではないにもかかわらず、なぜマンジャロの使用中に気分が落ち込んだり、鬱々とした気持ちになったりすることがあるのでしょうか。それは、薬がもたらす体の変化が心理的なストレスや負担となって現れるケースが考えられます。
ここでは、マンジャロ使用中に気分が落ち込む原因として考えられる3つのケースを紹介します。
原因1|血糖値の変動が気分に影響する
マンジャロは血糖値を全体的に安定させる優れた効果がありますが、食事量が想定以上に減ってしまったり、糖質の摂取が極端に少なくなったりすると、体が一時的にエネルギー不足して低血糖に近い状態に陥ることがあります。
脳はブドウ糖を主要なエネルギー源としているため、その供給が不安定になると、思考力や集中力の低下を招区可能性があります。それだけでなく、低血糖の症状には原因不明の強い不安感、イライラ、気分の落ち込み、無気力といった精神的な不調も含まれるのです。自分では気づかないうちに、こうした血糖値の微妙な変動が気分の波を引き起こしている可能性があります。
原因2|食欲低下や副作用による心理的ストレス
「食べること」は、単なる栄養補給以上の意味を持つ行為です。友人との楽しい会食、頑張った自分へのご褒美、ストレスを感じた時の気分転換など、私たちの生活や文化と密接に結びついています。マンジャロの効果で食欲が低下すると、こうした「食の楽しみ」が制限されることになり、それが予期せぬ喪失感や社会的な孤立感につながることがあります。
また、吐き気やだるさといった副作用による体調不良が長引くと、「普通の生活が送れない」という焦りや無力感に苛まれ、精神的なエネルギーが消耗して気分が沈む一因にもなり得ます。
原因3|体重減少が停滞し「痩せない」と感じることによる落胆
「この薬を使えば、今度こそ痩せられる」という期待を持って治療を始めた方にとって、体重の減少が停滞する「停滞期」は、精神的に非常に大きなダメージとなります。
ダイエットにおける停滞期は、体がエネルギー消費を節約しようとする正常な反応なのですが、「こんなに食事を我慢しているのに、なぜ体重が減らないんだ」という裏切られたような気持ちになりがちです。そのため、ダイエットのモチベーションそのものを失わせ、自己嫌悪や気分の落ち込みを引き起こすことがあります。
マンジャロ使用中に鬱っぽさを感じたらどうすればいい?対処法3選
もしマンジャロの使用中に、これまでになかったような気分の落ち込みや鬱っぽさを感じた場合、決して一人で抱え込まず、我慢せずに適切な対処を行うことが何よりも重要です。
対処法1|まずは医師に相談して服薬や用量を見直す
最も優先すべき行動は、自己判断で薬を中断したりせず、まずは処方してくれた医師に正直に相談することです。その際には、ただ「気分が落ち込む」と伝えるだけでなく、「いつから、どんな時に、どの程度の落ち込みがあるか」「食事や睡眠はとれているか」「仕事や家庭で他にストレスはないか」などをメモにまとめて持参すると、医師も状況を正確に把握しやすくなります。
医師は、それが薬の間接的な影響なのか、あるいは他の要因によるものなのかを慎重に判断し、用量を調整したり、副作用を緩和する薬を処方したり、生活上のアドバイスをくれたりと、専門的な視点から相談にのってくれるはずです。
対処法2|睡眠・運動・食生活など生活習慣を整える
心の健康は、体の健康と密接に連携しています。精神的な安定を取り戻すためには、基本的な生活習慣を見直すことが非常に効果的です。特に、質の良い睡眠を7時間程度確保することは、脳の疲労を回復させ、精神状態を安定させる上で不可欠です。また、日中に太陽の光を浴びながらのウォーキングなどのリズミカルな運動は、気分を前向きにする神経伝達物質「セロトニン」や、幸福感をもたらす「エンドルフィン」の分泌を促します。
食事面では、量が減る中でも、セロトニンの材料となるトリプトファン(赤身肉、魚、卵、大豆製品、バナナなど)や、神経の働きをサポートするビタミンB群、マグネシウムなどを意識的に摂取することが、心の栄養補給におすすめです。
対処法3|必要に応じて心療内科やカウンセリングを検討しよう
気分の落ち込みが2週間以上続く、何をしても楽しめない、仕事や家事に手がつかないなど、日常生活に支障が出ている場合は、我慢せずに心療内科やカウンセリングを頼ることも大切な選択肢です。体の不調で内科にかかるのと同じように、心の不調で心療内科や精神科、あるいは公認心理師によるカウンセリングを受けることは、決して特別なことではありません。
むしろ、治療を成功させるための一環として、専門的なサポートを積極的に活用するという視点が重要です。処方医に相談すれば、適切な専門機関を紹介してくれる場合もあるため、まずは抱え込まずに周囲に相談してみるようにしましょう。
マンジャロの処方なら、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめ
マンジャロダイエットに関心があり、手軽に始めたいとお考えであれば、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめです。オンラインでマンジャロの診察から処方、そして薬の受け取りまでをスムーズに行えます。
自宅や職場など、場所を選ばずに医師の診察を受けられるため、医療機関への移動時間や待ち時間を気にすることなく、ご自身の都合の良い時間にオンラインで相談が可能です。これは、ダイエットを継続していく上での大きな利便性と言えるでしょう。
また、オンライン診療でありながらも、医師による丁寧なカウンセリングと診察を受けることができます。マンジャロダイエットに関する疑問や不安をじっくりと相談し、ご自身の健康状態やライフスタイルに合わせた適切なアドバイスを受けることができます。
なお、マンジャロ注射以外にも、リベルサスやメトホルミン、フォシーガなどの服用タイプの薬剤もあるため、医師と相談の上、ご自身に合ったものを検討してみてください。
まとめ|マンジャロで鬱になる可能性は低いが気分変化には注意が必要
現在の医学的な知見では、マンジャロの直接的な副作用として鬱病や抑うつ状態が明確に報告されているケースは確認されていません。公式な臨床試験や添付文書においても、精神状態への直接的な影響は副作用として挙げられておらず、薬そのものが脳に作用して鬱を引き起こすリスクは極めて低いと考えられています。
しかし、治療中に気分の落ち込みを感じる可能性はゼロではありません。血糖値の変動による脳への影響、食欲低下や体調不良による心理的ストレス、体重減少の停滞による落胆など、間接的な要因が気分に影響を与える場合があります。
もし治療中に気分の変化を感じた場合は、自己判断で薬を中断せず、まず処方医に相談することが最も重要です。併せて睡眠・運動・食生活といった基本的な生活習慣を整え、必要に応じて心療内科やカウンセリングの専門的サポートを受けるようにしましょう。