メトホルミンの副作用は?下痢や便秘、乳酸アシドーシスのリスクも解説

メトホルミンは、ダイエット効果も期待できる糖尿病治療薬です。正しく服用すれば、食欲を抑えたり、糖の吸収をブロックすることで体重の減量をサポートしてくれますが、その副作用に不安を感じる方も多いはず。

この記事では、メトホルミンで起こりうる副作用の種類や症状、服用する際の注意点、そして気になる価格について詳しく解説していきます。メトホルミンの副作用について理解を深め、安心して服用するための情報を得ることができるでしょう。

メトホルミンの主な副作用は3つ

引用:株式会社三和化学研究所「メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「三和」

メトホルミンは、糖尿病治療薬として処方されるビグアナイド系の経口血糖降下薬です。主に肝臓に作用し、血糖値を下げる効果があります。食欲の低下や、体内の糖を排泄する作用があることから、ダイエット目的での処方もされています。

しかし、メトホルミンはあくまで医薬品であり、服用には注意が必要です。どのような副作用が起こり得るのかをしっかりと理解し、異変があれば速やかに医師へ相談しましょう。

参考:神戸大学「「便の中にブドウ糖を出す」という糖尿病治療薬の新しい作用を発見

副作用1|下痢や嘔吐など消化器系の症状

メトホルミンを服用すると、下痢や吐き気、嘔吐、腹痛といった消化器系の症状が現れることがあります。これらの症状はメトホルミンがよく引き起こす副作用として知られており、特に服用初期に多く見られます。

服用を継続することで症状が軽減することもありますが、症状が重い場合や長く続く場合は、医師に相談するようにしてください。

副作用2|だるさや過呼吸など乳酸アシドーシスの症状

乳酸アシドーシスは、メトホルミンの重大な副作用の一つです。乳酸が血液中に蓄積することで、吐き気や嘔吐、腹痛、倦怠感、筋肉痛、呼吸が苦しいなどの症状が現れます。

重症化すると意識障害や昏睡に陥ることもあり、命に関わる危険性も伴います。乳酸アシドーシスの初期症状は風邪に似ているため、症状を見逃さないよう注意が必要です。

副作用3|発汗や脱力感など低血糖の症状

メトホルミン自体は低血糖を引き起こすことはありませんが、他の糖尿病薬と併用する場合や、食事摂取量が極端に少ない場合などに低血糖を起こす可能性があります。

低血糖の症状としては、発汗、震え、動悸、顔面蒼白、強い空腹感、脱力感、意識障害などがあります。低血糖の症状が現れた場合は、すぐに糖分を摂取してください。(ブドウ糖や砂糖がない場合は、糖分を含む飴やコーラなどの清涼飲料水も効果的です)

その他の副作用

メトホルミンは、上記以外にも様々な副作用を引き起こす可能性があります。

部位自覚症状
全身ふらつき、脱力感、冷や汗、からだがだるい
頭部意識の低下、考えがまとまらない、めまい、頭痛
白目が黄色くなる
口やのど吐き気、嘔吐
胸部深く大きい呼吸、吐き気、動悸
腹部吐き気、空腹感、食欲不振
手足手足のふるえ、手のしびれ、手足のこわばり、足のしびれ
筋肉筋肉の痛み
皮膚皮膚が黄色くなる、かゆみ
尿尿の色が濃くなる、尿が褐色になる、尿が赤褐色になる
その他判断力の低下

引用:医薬品医療機器総合機構「メトホルミン塩酸塩錠 250mg「SN」

例えば、めまいやふらつき、全身倦怠感、発疹やかゆみなどが挙げられます。また、稀ではありますが、肝機能障害やビタミンB12減少といった副作用も報告されています。

これらの副作用が現れた場合は、速やかに医師または薬剤師に相談するようにしましょう。

メトホルミンをダイエット目的で服用する際の注意点

ここでは、メトホルミンをダイエット目的で服用する際の注意点を紹介します。健康的に痩せるために、しっかりと覚えておきましょう。

注意点1|過度の飲酒を避ける

メトホルミンを服用中の過度の飲酒は避けてください。過度の飲酒により、肝臓における乳酸の代謝が低下し、乳酸が蓄積しやすくなり、メトホルミンの重大な副作用である乳酸アシドーシスの発症リスクが高まってしまいます。

また、重度の低血糖発作を引き起こしたり、脱水状態を引き起こす可能性があります。脱水もまた、乳酸アシドーシスの発症リスクを高める要因となります。

なお、肝臓に問題がある方は、禁酒が推奨されます。飲酒をする場合は必ず主治医に相談し、個別の指示に従いましょう

注意点2|飲み合わせや服用できない条件を確認する

メトホルミンは、他の薬剤と飲み合わせが悪い場合や、特定の病気や症状がある場合は服用できないことがあります。服用前に、必ず医師に相談し、他の薬との飲み合わせや服用できない条件を確認しましょう。

例えば、メトホルミンは、腎臓病や肝臓病、心不全などの病気がある場合は服用できません。また、ヨード造影剤を使用する検査の前後48時間は、メトホルミンの服用を中止する必要があります。メトホルミンは、アルコールとの飲み合わせも注意が必要です。

注意点3|飲み過ぎ厳禁!処方された用法用量を必ず守る

医師の指示を無視して勝手に増量したり、飲み過ぎたりすることは非常に危険です。メトホルミンをダイエット目的で使用する場合、処方された用法用量を厳守しましょう。

メトホルミンの一般的な開始用量は、通常1日500mgから1000mgです。その後、徐々に増量していきますが、最大でも1日2000mgを超えないようにします。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、個々の患者の状態や反応によって適切な用量は異なります。

特に過剰摂取は、重篤な副作用である乳酸アシドーシスの発症リスクが高まる恐れがあるため注意してください。乳酸アシドーシスは、血中の乳酸濃度が異常に上昇し、体内のpHバランスが崩れる危険な状態です。

ダイエット目的であっても、安全性を最優先に考え、適切な用法用量を守りましょう。

メトホルミンの価格目安は2,800円〜3,900円程度

メトホルミンは、2型糖尿病の治療薬として広く使用されている薬です。メトホルミンの価格は、薬局や医療機関によって異なりますが、一般的な目安としては以下の通りです。

用量1ヶ月分の価格目安1錠あたりの価格目安
250mg錠2,800円程度(1日2錠/60錠)47円程度
500mg錠3,900円程度(1日2錠/60錠)65円程度

メトホルミンの用量には個人差があるため、1日の錠数が増えることで目安より高くなることもあります。しかしそれでも、ダイエットに効果があると期待されているリベルサスやフォシーガなどの薬剤が1ヶ月あたり1万円以上なのに対し、比較的安価な価格帯となっています。

メトホルミンを処方してもらうならミライメディカルクリニックがおすすめ

メトホルミンを処方してもらうならオンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめです。

対面診療と比べて、時間と場所の制約がないため、自宅や職場など好きな場所から都合のいい時間帯に診察を受けることができます。夜遅くまでの診察も対応しているため、仕事帰りや休日でも受信が可能です。

また、ダイエット目的での受診をする場合、心理的な抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。オンライン診療であれば、病院に向かうまでの道のりや待合室でほかの患者さんと顔を合わせる必要がなく、プライバシーも安心です。

メトホルミンを処方してもらう際には、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について

メトホルミンの副作用によるよくある質問

メトホルミンの副作用に関するよくある質問と回答を紹介します。

メトホルミンの副作用に抜け毛があるってほんと?
メトホルミンが直接的に抜け毛を引き起こすという科学的根拠はほとんど存在しません。しかし、ごく稀に抜け毛を含む皮膚症状が現れる可能性も否定できません。

もしメトホルミンの服用後に抜け毛が気になるようでしたら、自己判断せずに医師または薬剤師に相談してください。
メトホルミンを服用してから筋肉痛がある
メトホルミンを服用してから筋肉痛が生じる場合、重大な副作用の可能性があるため注意が必要です。

重大な副作用の一つである乳酸アシドーシスの初期症状には、筋肉痛、倦怠感、腹痛、吐き気・嘔吐、下痢、呼吸が異常に荒くなる(過呼吸)などがあります。これらの症状、特に筋肉痛が現れた場合は、すぐにメトホルミンの服用を中止し、担当医師に連絡してください。

乳酸アシドーシスは、腎機能や肝機能が低下している患者、心臓や肺に病気がある患者、脱水状態の患者、過度のアルコール摂取者、高齢者などで起きやすいとされています。筋肉痛やその他の気になる症状が現れた場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診してください。
メトホルミンとカロナールを飲み合わせても大丈夫?
メトホルミンとカロナールを飲み合わせても、一般的に安全であると考えられています。ただし、個々の患者さんの状態や他の併用薬、基礎疾患などによっては注意が必要な場合があります。

そのため、これらの薬剤を併用する際は、必ず医師や薬剤師に相談し、適切な指示を受けるようにしてください。

まとめ

この記事では、糖尿病の治療薬として広く使われているメトホルミンの副作用について詳しく解説しました。

メトホルミンは効果的な薬ですが、下痢や吐き気などの消化器症状、だるさや息切れなどの乳酸アシドーシスの症状、発汗や脱力感などの低血糖の症状など、さまざまな副作用を引き起こす可能性があります。

また、ダイエット目的でメトホルミンを服用する際には、副作用のリスクや飲み合わせ、服用量など、注意すべき点がいくつかあります。

メトホルミンの服用を検討している方や、服用中で副作用が気になる方は、この記事を参考に、医師に相談するようにしてください。

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