これまで医師の判断があれば保険適用で処方されてきた先発品の保湿剤「ヒルドイド」ですが、2024年10月から保険制度に大きな変更が加わり、今後は一定の自己負担が発生することになりました。
本記事では、ヒルドイドの自己負担額の詳細や、導入の背景、ジェネリック医薬品の効果や価格の違いなど、知っておくべき情報をわかりやすく解説します。これからヒルドイドを処方してもらう予定のある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ヒルドイドの自己負担とは?先発品の保険適用見直しを解説
ヒルドイドは、皮膚の保湿などに用いられる塗り薬です。これまで、医師が必要と判断すれば、保険適用でヒルドイドの先発品が処方されてきましたが、2024年10月より、先発品を選択した場合に自己負担が発生することになりました。
これは、医療費の適正化を図るための国の政策によるものです。後発医薬品(ジェネリック医薬品)も普及している現状を踏まえ、先発品を使い続ける場合は、患者にも一定の負担を求めることになりました。
医師がヒルドイドの先発品が必要と判断した場合、自己負担が発生します。自己負担額は剤型によって異なりますが、100gあたり約200~360円程度です。生活保護受給者の方は、先発品を希望しても後発医薬品が処方されることになっていますので、ご注意ください。
参考:日本経済新聞「保湿薬「ヒルドイド」、10月から自己負担増 厚労省」
ヒルドイド自己負担の金額は?算出方法と計算例
これまで通り、後発品(ジェネリック医薬品)を選択すれば自己負担はありませんが、医療上の必要性から先発品を希望する場合、自己負担額が生じることになります。ソフト軟膏、クリーム、ローションの剤型による自己負担額に大きな差はありません。
自己負担額は、後発品との差額の4分の1(+消費税)となります。
例えば、先発品の価格が1000円で、後発品の価格が200円だとした場合、差額は800円です。800円の4分の1は200円。これに消費税が加算されます。つまり、この場合の自己負担額は200円に消費税を加えた金額となります。
アトピー性皮膚炎の患者様など、医療上の必要性から先発品を使用する場合、この自己負担が発生します。また、美容目的で使用される場合も自己負担が発生します。
なぜヒルドイドに自己負担が導入されたのか?
ヒルドイドは、皮膚の保湿を目的とした医療用医薬品として、長年多くの患者様に処方されてきました。しかし近年、その高い保湿効果から、使用目的が医療の範囲を超え、美容目的での使用が増加していることが問題視されています。
本来、保険診療は病気の治療を目的とするものであり、美容目的での医薬品の使用は保険適用外となるべきです。しかし、ヒルドイドの場合、医師が処方箋を発行すれば保険適用となるため、美容目的であっても安価に入手できてしまうという現状がありました。
医療費の適正化と保険財政の健全化につなげるため、ヒルドイドへの自己負担が導入される結果となったのです。
参考:厚生労働省「ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進について」
ヒルドイドのジェネリック医薬品とは?効果や価格の違いを比較
ヒルドイドは、皮膚の保湿、血行促進、抗炎症作用を持つヘパリン類似物質を有効成分とする医療用医薬品です。その高い保湿力から、乾燥肌や肌荒れの治療に広く用いられてきました。
参考:日本ジェネリック製薬協会「ジェネリック医薬品とは」
ヒルドイドのジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許期間終了後に、他の製薬会社が製造・販売するもので、有効成分、含有量、効能・効果、用法・用量、安全性が同等であると認められた医薬品です。開発費用が抑えられるため、一般的に先発医薬品よりも安価に提供されます。
ヒルドイドのジェネリック医薬品は、「ヘパリン類似物質」という有効成分名がそのまま製品名になっている場合や、「ビーソフテン」などの異なる商品名で販売されています。
剤形も、ヒルドイドと同様に、ソフト軟膏(油性クリーム)、クリーム、ローション、フォーム(泡状スプレー)、ゲルなど、様々なタイプが存在します。
ジェネリックの効果の違い
ジェネリック医薬品は、有効成分とその含有量が先発医薬品と同一であるため、基本的な効能・効果は同等とされています。つまり、ヒルドイドのジェネリック医薬品も、皮膚の保湿、血行促進、抗炎症作用といった効果が期待できます。
ただし、添加物(基剤)は異なる場合があります。この添加物の違いによって、使用感(べたつき、伸びやすさなど)や、ごくまれに皮膚への刺激感などが異なることがあるのです。
一般的に、ローション剤はヒルドイドとジェネリックでテクスチャーが異なるという声もあります。先発品のヒルドイドローションが乳液状であるのに対し、ジェネリックのヘパリン類似物質ローションは化粧水に近い使用感のものもあります。
一部の研究では、先発品のヒルドイドクリームに見られる基礎発汗を促し角質水分量を増加させる効果が、ジェネリックのビーソフテンクリームでは確認されなかったという報告もありますが、患者さんによってはジェネリック医薬品でも十分な保湿効果が得られる場合もあります。
ジェネリックの価格の違い
ジェネリック医薬品の最大のメリットは、一般的に先発医薬品よりも価格が安価であることです。ヒルドイドのジェネリック医薬品も同様に、ヒルドイドよりも薬価が低く設定されています。
自己負担の割合によって実際に支払う金額は異なりますが、ジェネリック医薬品を選択することで、医療費を抑えることが可能です。特に、長期にわたってヒルドイドを使用する必要がある場合は、ジェネリック医薬品への切り替えを検討することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。
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ヒルドイドの自己負担まとめ
2024年10月からヒルドイドの先発品に自己負担が導入されました。これは医療費適正化の一環で、後発品(ジェネリック医薬品)の普及を促進するための施策です。先発品を選択する場合、剤型によって異なりますが、100gあたり約200〜360円程度の自己負担が発生します。この負担額は「後発品との差額の4分の1+消費税」で計算されます。
ジェネリック医薬品を選択すれば自己負担は発生しないため、経済的な負担を軽減したい方はジェネリックへの切り替えを検討するとよいでしょう。ただし、医師が医学的必要性を認めた場合でも先発品には自己負担が発生するため注意が必要です。生活保護受給者の方は原則として後発品が処方されます。
自己負担の導入は、医療目的を超えた美容目的での使用増加も背景にあります。保険診療は本来、病気の治療を目的としたものであり、医療費の適正化と保険財政の健全化につなげるための措置といえます。肌の状態や治療目的に応じて、医師と相談しながら最適な選択をしましょう。