抑肝散エキス顆粒

抑肝散エキス顆粒とは

販売名ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 3.25gを含有する。

日局 蒼朮(ソウジュツ)4.0g 
日局 茯苓(ブクリョウ)4.0g 日局 川芎(センキュウ)3.0g  日局 釣藤鈎(チョウトウコウ)3.0g
日局 当帰(トウキ) 3.0g        日局 柴胡(サイコ) 2.0g 
日局 甘草(カンゾウ)1.5g

※引用:くすりのしおり「ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)」

抑肝散は古来より心身を落ち着かせる効果が期待される漢方です。

ストレスでなんとなく体調がすぐれない方やイライラや不眠が続く方、歯ぎしり、怒りっぽいといった症状に効果が期待できます。
お子様の夜泣きや癇癪(かんしゃく)に対しても処方されることがあります。

抑肝散の主な効果とは

抑肝散は中国の明時代(16世紀)の「保嬰金鏡録(ほえいきんきょうろく)」という小児の治療をまとめた書物に記載されている漢方です。
「母子同服(母と子どちらも服用する)」と書かれており、当時から親子の精神状態には相互関係があると考えられたといえます。

抑肝散は下記の7つの成分で構成されています。

成分名主な効果
蒼朮(ソウジュツ)体内の余分な水分を取り除き、消化器系の働きを助けることで、胃腸の不調を改善します。
茯苓(ブクリョウ)蒼朮と同様に、体内の水分代謝を整える働きがあり、精神的な安定にも寄与します。
川芎(センキュウ)血行を促進し、体の巡りを良くすることで、頭痛や肩こり、冷えなどの症状を和らげます。
釣藤鈎(チョウトウコウ)鎮静作用があり、神経の高ぶりや興奮を鎮め、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
当帰(トウキ)血液を補い、体を温める働きがあり、特に女性の冷えや貧血、生理不順などの改善に用いられます。
柴胡(サイコ)ストレスやイライラを和らげ、自律神経のバランスを整える働きがあります。
甘草(カンゾウ)多くの生薬の働きを調和させ、胃腸を保護します。また、鎮痛・鎮痙作用もあります。

抑肝散の効果が期待できる症状7選

1:不眠症

神経が高ぶって寝付けない、何度も目が覚めてしまう、といった不眠の症状に効果が期待できます。心を落ち着かせ、スムーズな入眠を促します。

2:小児の夜泣き・疳虫(かんむし)

興奮しやすい体質の子どもの夜泣きや、神経過敏で癇癪を引き起こしやすい場合に処方されることもあります。

医師の判断により、生後3ヶ月以降の乳児に処方されることもあります。

3:自律神経の乱れ

ストレスなどによって自律神経が乱れ、動悸やめまい、ほてり、頭痛などの症状が現れた場合に、神経の興奮を抑え、バランスを整えます。

4:更年期障害

更年期(40~50代)にホルモンバランスの乱れからくる心身の不調を整えます。

イライラや不眠、動悸、のぼせといった精神神経症状に効果を発揮します。

5:歯ぎしり

寝ている間の無意識の歯ぎしりは、ストレスや緊張が原因の一つとされています。抑肝散は、神経の高ぶりを抑えることで、歯ぎしりを軽減する効果が期待できます。

6:イライラしやすい、怒りっぽい

抑肝散という名前が表すように、「怒り」の感情に対し効果が期待できる処方です。ストレスや精神的緊張によって引き起こされるイライラやヒステリー、不安感などを鎮めます。

7:PMS

PMS(月経前症候群)のイライラや気分変動、神経の高ぶりを鎮めるのに効果が期待できます。

抑肝散エキス顆粒の服用方法

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与 します。
1包2.5gなので、1日2~3包内服します。

なお、年齢・体重・症状により適宜増減するため、医師の指示のもと内服しましょう。

抑肝散エキス顆粒の副作用

抑肝散は一般的に安全性が高いとされる漢方薬ですが、他の医薬品と同様に副作用が生じる可能性があります。

軽度な副作用としては「消化器症状」と「皮膚症状」「倦怠感・傾眠」があります。

消化器症状:食欲不振・胃部不快感・腹痛・吐き気、嘔吐・下痢、軟便

皮膚症状:発疹・発赤・かゆみ

また、稀にみられる重篤な副作用として、次の5つがあります(いずれも頻度不明)。次の症状がある場合は、服用を中止し、医師の診察を受けてください。

間質性肺炎息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱など
偽アルドステロン症むくみ、血圧上昇、手足のだるさ、低カリウム血症など
心不全体重増加、息切れ、その他心不全症状など
ミオパチー、横紋筋融解症低カリウム血症症状(脱力感、筋力低下、筋肉痛)など
肝機能障害、黄疸皮膚や白目が黄色くなる、倦怠感、食欲不振など

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抑肝散は市販薬としても販売されていますが、配合されている成分や量が異なることがあります。体質や症状に応じた適切な選択のために、医師に相談することをおすすめします。

忙しくてなかなか通院する時間が取れないという方もいるかもしれません。

通院が難しい方には、オンライン診療という選択肢もあります。

インターネット環境があれば、ご自宅などから医師の診察を受けることが可能で、抑肝散の処方についても相談できます。

診察後はネコポス、もしくは宅急便コンパクトで郵送され、最短当日発送で内服薬を受け取ることが可能です。

電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。

また、ミライメディカルクリニックでは、抑肝散以外にもさまざまな漢方薬を処方しています。医師に相談しながら、ご自身の症状や体質に合った漢方薬を見つけることができます。

漢方の服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について

抑肝散エキス顆粒に関するよくある質問

抑肝散の効果はいつ頃から感じられますか?
抑肝散の効果を感じるまでの時間は、体質や症状、服用量などによって個人差があります。
内服を始めてから副作用が見られない場合、まずは1ヶ月継続して効果を確認することが多いです。

漢方薬は、西洋薬(一般的な薬剤)と比べて効果が現れるまでに時間がかかる傾向がありますが、根本から体質を改善する効果が期待できるため、根気強く服用を続けることが大切です。

効果が感じられない場合は、服用量や服用方法を見直したり、他の漢方薬との併用を検討したりする必要があることもあるため、医師または薬剤師に相談してみてください。
妊娠中や授乳中に抑肝散を服用しても大丈夫ですか?
妊娠中や妊娠の可能性がある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ処方されます。
授乳中も治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、処方時に授乳の継続又は中止が検討されます。
育児のストレスなどで怒りっぽくなったり、イライラがある際に処方されることがありますが、自己判断で内服せず、まずは内服前に医師に相談しましょう。
抑肝散との併用に注意が必要な漢方はなんですか?
抑肝散の成分と重複する漢方は、効果が強く出過ぎたり過敏症が起こる可能性があります。
例:五苓散、桂枝茯苓丸など

特に注意が必要とされるのは、「甘草」を含む漢方薬の重複です。
甘草を過剰に摂取すると、むくみ、血圧上昇、低カリウム血症、偽アルドステロン症などが起こりやすくなります。
例:芍薬甘草湯、六君子湯など

併用禁忌の薬はありませんが、注意が必要な薬はあるため、診察時や処方時には内服している薬を申告するようにしましょう。
抑肝散と、加味逍遙散との違いは何ですか?
抑肝散と加味逍遙散(かみしょうようさん)はどちらも精神的な不調によく用いられる漢方薬という共通点があります。
大きな違いは以下の3つです。

違い1:イライラの性質の違い
・抑肝散:ストレスを発散できず、神経過敏で興奮しやすいイライラの性質がある方に向いています。

・加味逍遙散:ストレスで気の巡りが滞り、不安感がセットであるようなイライラの性質がある方に向いています。

違い2:身体症状の違い
・抑肝散:精神症状に加えて、歯ぎしりや筋肉のひきつり、震えなど神経の高ぶりによる身体症状がみられる場合に適しています。

・加味逍遙散:冷え、のぼせ、肩こり、疲れやすさ、便秘、ガスが溜まりやすい、など、精神症状に加えて体のさまざまな不調を伴う場合に適しています。特に女性ホルモンの変動による不調に多く用いられます。

違い3:胃腸の調子の違い
・抑肝散:胃腸への負担は比較的軽いです。胃腸が弱い場合は、より穏やかな「抑肝散加陳皮半夏」が用いられることもあります。

・加味逍遙散:薬の性質上、胃腸に負担をかける可能性があるため、胃腸が非常に弱い人には合わない場合があります。 
抑肝散と、抑肝散加陳皮半夏との違いは何ですか?
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)は、抑肝散に陳皮と半夏を追加した漢方です。

陳皮とはミカンの皮を乾燥させたもので、「気」の巡りを良くし、胃もたれや吐き気、食欲不振といった消化器系の機能を整える効果が期待できます。
半夏は消化器系の水分代謝を調整し、痰や吐き気や嘔吐、不安や不眠に伴う胃の不調にも用いられます。

抑肝散は精神症状の緩和を目的に選ばれることが多く、抑肝散加陳皮半夏は精神的な不調だけでなく、胃が弱い方や吐き気を伴う方に処方されることが多いです。

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