桂枝茯苓丸エキス顆粒(ケイシブクリョウガン)とは

| 販売名 | 桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用) |
|---|---|
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 1.75gを含有する。 日局 桂皮(ケイヒ) 3.0g 日局 芍薬(シャクヤク) 3.0g 日局 桃仁(トウニン) 3.0g 日局 茯苓(ブクリョウ) 3.0g 日局 牡丹皮(ボタンピ) 3.0g |
桂枝茯苓丸は、当帰芍薬散や加味逍遙散などと並ぶ婦人科三大漢方の1つです。
「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血の滞りを改善し、血行を促進することでさまざまな効果を発揮する漢方薬です。
体力があり、のぼせやすいのに足が冷える「冷えのぼせ」を伴う人に向いていて、月経痛、月経不順、月経異常、更年期障害、PMS、子宮内膜症などに効果が期待できます。
1800年の歴史ある漢方、桂枝茯苓丸の効果5選
桂枝茯苓丸は、紀元3世紀初頭に中国で書かれた古典医学書「金匱要略(きんきようりゃく)」に記載されている漢方薬で、婦人科三大漢方薬として今でも使われています。
以下5種類の生薬から構成されています。
| 生薬名 | 期待できる作用 |
|---|---|
| 桂皮(ケイヒ) | 体を温めて血行を促進する。血行促進により、のぼせや頭重感を和らげる。 |
| 茯苓(ブクリョウ) | 余分な水分を排出する利尿作用がある。また、精神を安定させる作用もある。 |
| 牡丹皮(ボタンピ) | 瘀血を取り除く(駆瘀血作用)働きが強い。こもった熱を冷まし炎症を抑制する。 |
| 桃仁(トウニン) | 瘀血を取り除く(駆瘀血作用)働きがある。 |
| 芍薬(シャクヤク) | 血液を補い、筋肉の緊張や痙攣を和らげることで、鎮静作用がある。 |
特に、牡丹皮と桃仁が血の滞りを解消する「駆瘀血薬(くおけつやく)」として重要な役割を果たします。
桂枝茯苓丸に期待できる効果5選
効果1:生理痛の緩和
骨盤内の血行を促進し、滞った血流を取り除くことで、子宮収縮に伴う痛みの緩和が期待できます。
特に、生理の際に塊のような血が出やすい方に効果的です。
効果2:更年期障害の諸症状
のぼせやほてり、発汗、イライラ、めまいなど、更年期に伴う血管運動神経症状や神経症状を、血流の改善と気のバランス調整によって和らげます。
効果3:PMS(月経前症候群)を含む「血の道症」の諸症状
血の道症とは、女性ホルモン変動に伴う幅広い不調全般を指す、漢方の伝統的な概念です。
女性ホルモンの変動によって現れる情緒不安定、イライラ、下腹部の張り、頭重感といったPMSの症状全般、および妊娠・出産・産後・更年期などに伴う不調に効果が期待できます。
効果4:慢性的な肩こりや頭重感の解消
上半身は熱いが、下半身が冷える冷えのぼせタイプの方の肩や首のこわばり、頭の重さを、血流を促すことで解消する効果が期待できます。
長時間のPC作業などで頭が重くなったり、肩甲骨のあたりが重だるくなっているときに飲むような使い方もできます。
効果5:しみ、ニキビなどの肌トラブルの改善
肌トラブルに直接的な効果があるわけではありませんが、皮膚の血行を促進し新陳代謝を活発にすることで、血行不良が原因とされるシミやニキビ、アザの改善につながるとされています。
効果6:打ち身(打撲傷)や痔などの局所症状
打撲による内出血や、痔による腫れや痛みの原因である患部の血行不良を改善する作用があり、回復を助けます。
効果7:子宮筋腫や子宮内膜症などの治療の補助
婦人科領域において、子宮筋腫や子宮内膜症といった、血の塊や組織の異常増殖を伴う疾患に対して、瘀血を取り除く漢方薬として補助的に用いられることがあります。
これらの進行を遅らせたり、症状を和らげたりする目的で使われます。
桂枝茯苓丸の内服が向いている人・向いていない人
桂枝茯苓丸には上記のような効果が期待できますが、漢方内服には向き・不向きがあります。
桂枝茯苓丸が向いている人
体格がしっかりしていて体力は中等度以上、のぼせて赤ら顔が多く、下腹部に抵抗・圧痛がある方に向く漢方薬です。
桂枝茯苓丸が向いていない人
一方で、胃腸が弱く、体力が低下している方には内服が向きません。
服用することで食欲不振や吐き気、下痢などの消化器症状の副作用が出る可能性があります。
桂枝茯苓丸の服用方法
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与 します。
1包2.5gなので、1日2~3包内服します。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減するため、医師の指示のもと内服しましょう。
桂枝茯苓丸の副作用
桂枝茯苓丸は副作用が比較的少ないとされている漢方ですが、頻度不明で以下のような副作用があります。
重大な副作用
肝機能障害、黄疸
その他の副作用
過敏症:発疹、発赤、掻痒 等
消化器症状:食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢 等
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桂枝茯苓丸は市販薬でも購入できますが、症状等によっては処方すべき薬が異なるケースがあります。また、同じ名前の漢方でも、配合されている生薬が違うこともあります。
症状や体質によって適切な漢方は異なるため、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。
忙しくてなかなか通院する時間が取れないという方もいるかもしれません。
通院が難しい方には、オンライン診療という選択肢もあります。
インターネット環境があれば、ご自宅などから医師の診察を受けることが可能で、桂枝茯苓丸の処方についても相談できます。
診察後はネコポス、もしくは宅急便コンパクトで郵送され、最短当日発送で内服薬を受け取ることが可能です。
電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。
また、ミライメディカルクリニックでは、桂枝茯苓丸以外にもさまざまな漢方薬を処方しています。医師に相談しながら、ご自身の症状や体質に合った漢方薬を見つけることができます。
漢方の服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
※参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について」
桂枝茯苓丸エキス顆粒に関するよくある質問
桂枝茯苓丸エキス顆粒に関するよくある質問とその回答を紹介します。
- 桂枝茯苓丸の効果を感じるまでの期間はどれくらい?
- 桂枝茯苓丸の効果を感じるまでの時間は、体質や症状、服用量などによって個人差があります。
漢方薬は、西洋薬(一般的な薬剤)と比べて効果が現れるまでに時間がかかる傾向がありますが、根本から体質を改善する効果が期待できるため、根気強く服用を続けることが大切です。
個人差はありますが、数週間から1ヶ月ほどでむくみの軽減や生理の血の性状が変わったりと徐々に変化を感じることが多いです。
子宮筋腫や内膜症の症状緩和や月経周期の乱れ、更年期障害の症状改善については効果を感じるまでは数カ月かかることもあります。
効果が感じられない場合は、服用量や服用方法を見直したり、他の漢方薬との併用を検討したりする必要があることもあるため、医師または薬剤師に相談してみてください。
- 桂枝茯苓丸との併用に注意が必要な飲み合わせは?
- 複数の漢方薬を併用する場合、同じ生薬が重複して含まれていることがあります。
特に活血作用(血行促進作用)のある生薬を含む漢方薬との併用は注意が必要です。
生薬の過剰摂取につながる可能性があるため、他の漢方薬やサプリメントを服用している場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
- 桂枝茯苓丸は妊娠中や授乳中に飲んでも大丈夫?
- 桂枝茯苓丸の妊娠中および授乳中の服用については、服用前に必ず医師や薬剤師に相談する必要があります。
自己判断での服用は避けてください。
特に妊娠中の服用はしないことが望ましいとされています、
桂枝茯苓丸に含まれる生薬のうち、特に桃仁(トウニン)と牡丹皮(ボタンピ)は、駆瘀血作用が強いため、流早産の危険性を高める可能性が指摘されており、原則として妊娠中は避けるべきとされています。
- 桂枝茯苓丸は男性でも服用できますか?
- 桂枝茯苓丸は男性でも服用できます。
女性特有の症状に広く用いられるイメージが強いですが、本質的な作用は「瘀血(おけつ」(血の滞り)を改善することです。
瘀血は男性でも起こるため、体質が合う場合は男性の以下の症状にも効果が期待できます。
①打撲や外傷後の内出血、腫れ
②痔(いぼ痔、切れ痔)
③前立腺肥大症や睾丸炎などの補助療法
④冷えのぼせや慢性的な肩こり
