産婦人科でピルだけもらうことはできる?初診からピル処方までの流れ

産婦人科ピルだけもらうことはできる?

急な避妊が必要になった場合、アフターピル(緊急避妊薬)は非常に重要な選択です。アフターピルは性行為後72時間以内に服用することで、高い確率で妊娠を防ぐことができます。

本記事では、産婦人科でピルを処方してもらう際の流れや注意点、費用、そして適切な産婦人科の選び方について詳しく解説します。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

目次

産婦人科でピル(アフターピル)だけもらうことはできる?結論、コンビニで買うようにはもらえない!

結論から言うと、コンビニでジュースを買うようにはピルを貰えません。詳しく見ていきましょう。

アフターピル(緊急避妊薬)の処方には診察が必要な理由

アフターピルの処方には、医師による診察と処方箋の発行が必要なので、産婦人科で診察なしにアフターピルだけをもらうことはできません。

理由としては、アフターピルは医療用医薬品に分類されているため、従来は薬局で処方箋なしに購入することはできませんでした(2023年から一部薬局での購入が可能になりました)。

また、医師法第20条により、医師は自ら診察なしに治療や処方箋の交付を行うことが禁止されています。そのため、産婦人科医が患者を直接診察せずにアフターピルを処方することは法的に認められていません。

アフターピルの処方にあたっては、患者の健康状態や他の薬の服用歴などを医師が直接確認する必要があるため、産婦人科で診察なしにアフターピルだけをもらって帰ることはできないのです。

なお、アフターピルと低用量ピル(経口避妊薬)は異なる薬剤です。本記事ではアフターピル(緊急避妊薬)について説明しています。

参考:厚生労働省「医師法

アフターピルは本人が受け取る必要がある

アフターピルの使用には適切な説明と服用タイミングの確認が必要なため、基本的には本人が医療機関を受診するか、薬局で薬剤師の説明を直接受ける必要があり、男性などパートナーが代理でピルを処方してもらうことはできません。

ピルの処方にあたっては、ピルの効果や副作用、正しい服用方法などを本人が直接理解することが重要であり、パートナーなどの代理人では十分な理解が得られない可能性があるからです。

ただし、処方箋があればピルの受け取り自体は本人以外でもできます。

産婦人科でピルを処方してもらう際の流れ

それでは、産婦人科でピルを処方してもらう際の具体的な流れを見ていきましょう。

STEP1.産婦人科の診療時間に合わせて、Webまたは電話で予約

予約なしでピル処方の相談に対応している産婦人科もありますが、予約をした方がスムーズに処方してもらえるので効率的です。

STEP2.問診票に記入

問診票を正確に記入することで、産婦人科側が受診者の状況を把握することができます。診察がスムーズに進むよう、問診ではなるべく正確な情報を記入しましょう。

STEP3.産婦人科医による診察を受ける

医師による診察で、ピルの効果や副作用、正しい服用方法の説明を受けます。

ピルを安全に服用するために必要な情報を得られるので、不安なことは遠慮なく質問しましょう。

STEP4.診察後、医師の判断でピルが処方される

医師の診察後、アフターピルが処方されます。アフターピルは1回分の服用で、できるだけ早く(性交渉後72時間以内、特に48時間以内が望ましい)服用することで効果を発揮します。

アフターピルには主に「レボノルゲストレル製剤」と「ウリプリスタル製剤」の2種類があり、医師が状況に応じて適切な種類を選択します。服用方法や注意点について医師から詳しい説明を受けましょう。

高校生が産婦人科でピルだけもらう方法と注意点

高校生でもアフターピルを処方してもらうことは可能ですが、いくつかの注意点があります。

高校生が受診できる産婦人科を選ぶ

受診する産婦人科を選ぶ際に、親の同意が必要か確認してみましょう。

一般的には未成年者の医療行為には親の同意が必要とされていますが、一部の産婦人科では親の同意なしでもピルを処方してもらえる場合もあります。

電話で確認したり、インターネットで口コミを調べたりするのもおすすめです。

また、クリニックによっては学生証などの身分証の提示が求められることが多いので、事前に用意しておくことをお勧めします。

アフターピルに関する正しい知識を身につけておく

高校生がアフターピルを入手する際は、医師や薬剤師からの適切な説明を受けることが重要です。アフターピルは緊急時の避妊薬であり、通常の避妊法の代わりにはならないことを理解しましょう。

アフターピルの効果を最大限に発揮させるには、性交渉後できるだけ早く(72時間以内、特に48時間以内が望ましい)服用することが大切です。服用が遅れるほど効果が低下します。

アフターピルには吐き気、頭痛、めまい、不正出血などの副作用が生じる可能性があります。これらの症状について理解し、異常を感じた場合は医療機関に相談しましょう。

また、アフターピルは高い緊急避妊効果がありますが、100%避妊できるわけではなく、性感染症からも守ってくれません。定期的な避妊にはコンドームなどの避妊具を使用することをお勧めします。

親や学校に内緒で手に入れることはできる?

高校生など未成年者の場合でも、一部の産婦人科やオンライン診療では親の同意なしでアフターピルを処方してもらえることがあります。また、薬局でも年齢による制限はありませんが、薬剤師の判断により親の同意を求められることもあります。

性的な問題は親に相談しづらい場合もありますが、緊急時の対応として一人で判断しなければならない状況もあります。できるだけ信頼できる大人(親、養護教諭、スクールカウンセラーなど)に相談することが望ましいですが、困難な場合は専門機関を頼ることも選択肢の一つです。

東京都福祉保健局では、中学生・高校生の思春期特有の様々な悩みに関する相談に答えてくれる窓口を設置しています。

アフターピル(緊急避妊薬)処方のための同行支援などもおこなっていますので、親に相談できない緊急の悩みを抱えている場合は、一人で抱え込まずに支援制度を活用してみてください。

※参考:東京都福祉保健局

アフターピルの価格と費用

アフターピルは性交渉後できるだけ早く服用するほど効果が高いため、迅速に入手できる方法を知っておくことが重要です。

アフターピル処方・購入時の費用について

アフターピルを入手するためには、医療機関での処方か薬局での購入が必要ですが、それぞれ費用構成が異なります。

  • 医療機関での診察料:3,000円~6,000円程度
  • 薬局での薬剤師相談料:1,000円~3,000円程度
  • オンライン診療の診察料:3,000円~5,000円程度

これに加えて、アフターピル自体の薬代がかかります。費用は入手方法や地域によって異なるため、事前に医療機関や薬局に問い合わせて確認することをお勧めします。

アフターピルの種類と価格差

日本で入手できるアフターピルには主に2種類あり、それぞれ価格が異なります。

  • レボノルゲストレル製剤(ノルレボなど):8,800円~12,000円程度
  • ウリプリスタル製剤(エラワンなど):10,000円~15,000円程度

レボノルゲストレル製剤は比較的歴史が長く、72時間以内の服用が推奨されています。一方、ウリプリスタル製剤はより新しいタイプで、120時間(5日)以内まで効果があるとされていますが、いずれも早く服用するほど効果が高まります。

アフターピルはジェネリック医薬品も一部登場していますが、どの種類でも健康保険は適用されず、全額自己負担となります。価格は医療機関や薬局によって異なる場合がありますので、事前に確認することをお勧めします。

どちらの種類を選ぶかは、性交渉からの経過時間や自分の体質など様々な要素が関係します。医師や薬剤師に相談して、適切なアフターピルを選びましょう。

アフターピル入手にかかる総費用の目安

アフターピルは緊急避妊薬であり、健康保険は適用されず全額自己負担となります。入手方法によって総費用が異なりますので、それぞれの目安を解説します。

【産婦人科での処方の場合】

診察料3,000円〜6,000円
薬代8,000円〜15,000円
処方料・調剤料1,000円〜2,000円
合計12,000円〜23,000円

【薬局での購入の場合】

薬剤師相談料1,000円〜3,000円
薬代8,000円〜15,000円
合計9,000円〜18,000円

【オンライン診療での処方の場合】

診察料3,000円〜5,000円
薬代8,000円〜15,000円
配送料0円〜1,500円
合計11,000円〜21,500円

アフターピルは緊急時に1回だけ服用する薬なので、継続的な費用はかかりません。ただし、性交渉の度に使用すると費用が高額になるため、通常の避妊法(コンドームなど)を日常的に使用することをお勧めします。

医療機関や薬局によって料金設定は異なりますので、事前に確認することをお勧めします。特に緊急性が高い場合は、まず入手を優先し、後から費用について相談することも可能な場合があります。

ピルの処方を希望する際の産婦人科選びのポイント

病院でピルを処方してもらうためには、産婦人科を受診する必要がありますが、地域によっては選択肢が限られている場合もあるため、事前に産婦人科を慎重に選ぶことが大切です。

ここでは、ピルの処方を希望する際の産婦人科選びのポイントについて解説します。

ポイント1|迅速に対応してくれる医療機関・薬局を選ぶ

アフターピルは性交渉後できるだけ早く服用するほど効果が高いため、迅速に対応してくれる医療機関や薬局を選ぶことが最も重要です。

アフターピルを入手する方法は主に3つあります。

  • 産婦人科での処方:予約なしで緊急避妊に対応している産婦人科や婦人科クリニックを事前に確認しておくと安心です。休日夜間対応の医療機関もチェックしておきましょう。
  • 薬局での購入:全ての薬局で取り扱いがあるわけではないため、アフターピルを販売している薬局を事前に知っておくことが大切です。特に、24時間営業や土日営業の薬局は緊急時に役立ちます。
  • オンライン診療での処方:24時間対応のオンライン診療サービスもあり、自宅にいながら処方を受けられます。ただし、配送にかかる時間も考慮する必要があります。

アフターピルには主に「レボノルゲストレル製剤」と「ウリプリスタル製剤」の2種類がありますが、どちらも効果的な緊急避妊薬です。緊急時には、まず入手のしやすさを優先することをお勧めします。

ポイント2|アクセスのしやすさと営業時間

アフターピルは緊急時に必要となる薬ですので、アクセスのしやすさと営業時間は非常に重要なポイントです。

24時間対応または夜間・休日対応している医療機関や薬局

性交渉が夜間や休日に行われることも多いため、24時間対応または夜間・休日も対応している医療機関や薬局を事前に調べておくことが大切です。

特に薬局の場合、アフターピルを販売していない場所もあるため、事前に電話で確認するか、地域の薬剤師会などのウェブサイトで確認しておくと安心です。

オンライン診療の活用

近年はオンライン診療でアフターピルを処方してもらえるサービスも増えています。自宅にいながら医師の診察を受けられ、薬を配送してもらえるので便利です。

ただし、配送に時間がかかる場合もあるため、性交渉後の経過時間を考慮して利用するようにしましょう。

ポイント3|サポート体制

アフターピルを服用した後も、副作用や避妊効果への不安がある場合があります。そのような時に相談できる医療機関や薬局を選ぶことが大切です。

  • 服用後の副作用や不安に関する電話相談窓口
  • 服用後の体調変化に対する対応
  • 避妊に失敗した可能性がある場合の次のステップの説明
  • 今後の避妊方法についてのアドバイス

アフターピル服用後に吐き気や出血などの副作用が出ることがありますが、これらの症状についての適切な情報提供や対処法を教えてくれる医療機関を選ぶことが大切です。

また、アフターピルは緊急避妊薬であるため、今後の計画的な避妊方法についてもアドバイスしてくれる医療機関であれば理想的です。

アフターピルならオンライン診療もおすすめ

近年、オンラインで医師の診療を受けられるオンライン診療が増えており、アフターピルの処方を受ける際にも、オンライン診療を利用するのがおすすめです。

オンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使って、自宅にいながらビデオ通話で医師の問診を受けることができ、処方が必要と判断された場合は薬が自宅に郵送されます。特に緊急性の高いアフターピルの場合、24時間対応のオンライン診療サービスは役立つはずです。

ここではオンライン診療のメリット、デメリットについて解説していきます。

オンライン診療のメリット

オンライン診療のメリットについて具体的に説明していきます。

通院の手間が省ける

対面の医療機関に足を運ぶ必要がないため、移動時間や交通費がかからず、時間的・金銭的な負担が軽減されます。

診療時間を気にせず受診できる

オンライン診療であれば、平日の昼間に限らず夜間や休日でも診療を受けられるサービスが多数あり、仕事や学校との両立がしやすくなります。

自宅までピルを郵送してくれるサービスもありますので、薬局に受け取りに行く手間も省くことが可能です。

人目を気にせず診療を受けられる

オンライン診療では、プライバシーが守られやすいというメリットもあります。

また、対面の医療機関に比べて、人目を気にせずに診療を受けられるため、恥ずかしさを感じにくいのもメリットとして挙げられます。

オンライン診療のデメリット

オンライン診療のデメリットについて解説していきます。

医師の診断が限定的になる可能性がある

対面診療であれば、医師が直接的に触診や視診をして総合的に判断することができますが、オンラインの場合は問診のみのため、診断が限定的になる可能性があります。

緊急時の対応が難しい

処方箋の郵送に時間がかかるため、緊急時の対応が難しい場合があります。

オンライン診療を利用する際は信頼できるサービスを選ぶことが大切であり、国が認可した事業者かどうかを確認し、口コミや評判もチェックしましょう。

なお、厚生労働省は、オンライン診療の安全で適切な利用のために知っておいてほしいこととして「安心・安全にオンライン診療を受けるためのチェックリスト」を公表しています。

このように、オンライン診療にはメリットとデメリットがあります。自分のニーズに合わせて利用するか検討してみてくださいね。

産婦人科でピルだけもらうことはできる?のまとめ

アフターピルは性交渉後なるべく早く、48時間以内が理想的で最大72時間以内に服用することが大切です。これまでは産婦人科での処方が一般的でしたが、2023年からは薬局での購入も可能になり、選択肢が広がりました。

入手方法は主に3つ。産婦人科での処方、薬局での購入、オンライン診療での処方があります。どの方法を選んでも医師や薬剤師からの説明を受けることになり、費用は8,800円〜15,000円程度。残念ながら健康保険は適用されません。

また、アフターピルはあくまで「緊急時」の避妊薬です。日常的な避妊法としてコンドームなどを利用し、万が一の時のバックアップとして考えるのが適切でしょう。服用による副作用の可能性もあるため、医師や薬剤師のアドバイスをしっかり聞いておくことをお勧めします。

いざという時に慌てないよう、お住まいの近くでアフターピルを入手できる医療機関や薬局を事前にチェックしておくと安心です。特に24時間対応や土日祝日対応のサービスを知っておくと心強いですね。

緊急アフピルでは、避妊専門の医師が常駐し、24時間365日いつでも待ち時間なしで無料相談に応じています。国内で承認されているアフターピルを8,800円(税込)〜ご提供していますので、緊急避妊が必要な方やアフターピルについて相談したい方は、どうぞお気軽にご連絡ください。

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